BASFは9月7日、新しいポリフェニルスルホン(PPSU)であるウルトラゾーンP2010natを使用した新しい学校給食用食器が、日本国内の小学校や中学校で採用されていると発表した。業務用容器に必要とされる軽量性や洗浄しやすさ、加水分解や薬品および高熱に対する耐性を持ち、壊れにくさなどの機能と洗練されたデザインを兼ね備えている。
同食器は、高度な成形技術により、ウルトラゾーンP2010natを主原料とした特殊樹脂で作られている。磁器製の食器と比べ、軽量で破損しにくいのが特長。また、有害物質が含まれていないため、より安全に使用でき、洗浄も容易。ウルトラゾーンを使用した学校給食用食器は、耐熱性および食品成分や洗浄剤に対する高い耐性により、長期間の使用が可能となる。
ウルトラゾーンP2010natは、射出成形時の流動特性が改善されており、ノッチ付き衝撃強度と安定性に優れ、高い耐薬品性、134℃までの過熱蒸気による滅菌にも耐えうる機械的特性を備えている。この透明高耐熱プラスチックは、EUと米国において食品の接触に対する適合性が認められており、日本国内では食品衛生法ポジティブリストに適合している。
ウルトラゾーンは、ポリエーテルスルホン(ウルトラゾーンE)、ポリスルホン(ウルトラゾーンS)、ポリフェニルスルホン(ウルトラゾーンP)を含む、同社のスルホン系樹脂製品群の登録商標。この高性能素材は、電子機器、自動車、航空宇宙産業にとどまらず、ろ過用メンブレンや、温水や食品と接する部品にも使用されている。ウルトラゾーンブランドは、その優れた特性により、熱硬化性樹脂、金属、セラミックの代替として利用することができる。