プラスチック機械大手6社の21年3月期第1四半期連結決算が出揃った。(日精エー・エス・ビー機械は20年9月期第3四半期決算)。新型コロナウイルス感染拡大の影響により主に自動車関連の落ち込みが大きく全社が減収、利益は住友重機械工業(精密機械部門)を除いて5社が減益となった。
◆日精樹脂工業
売上高は88億3800万円で前年同期比5・7%減、営業利益は4900万円で同89・5%減となった。
コロナ感染拡大の影響により、主力の射出成形機売上高が自動車関連を中心に需要減少したことなどから、減収減益となった。
地域別では、日本とアジアは、自動車関連の需要減少などにより減収減益。欧米は、1月にNEGRI BOSSI S.P.A.を連結子会社としたことから売上は増収となったが、自動車関連の需要減およびコロナ影響により利益が減少した。
◆日精エー・エス・ビー機械
20年9月期第3四半期の売上高は174億3900万円で同6・1%減、営業利益は26億1500万円で同0・7%減となった。
地域別では、米州は消毒液や生活必需品などの容器需要の高まりを受け、北米及び中米市場での引き合いが回復し、大幅な増収増益だった。
一方、欧州は売上は為替がユーロ安で推移したことや、利益面でも展示会費用の増加などで減収減益。南・西アジアは、主要国でのロックダウンなどの影響により各国市場が低調で、利益面も売上規模の減少およびインド工場の生産停止などにより減収減益となった。 東アジアは、主要市場の日本と中国で減収となったが、利益面は前年度に計上した工場集約の一過性費用の減少、グループ会社向けの採算性の向上の影響などで増益となった。
◆カワタ
売上高は43億3300万円で同26・8%減、営業利益は9500万円で同80・2%減となった。
地域別では、日本は自動車関連の落ち込みが大きく、利益面でも減益となった。東アジアは、米中貿易摩擦の長期化やコロナ感染拡大に伴う中国国内で経済活動の制限の影響を大きく受け、減収減益となった。
東南アジアは、タイ、インドネシアの自動車関連を中心とした設備投資意欲の減退に加え、コロナ感染拡大による経済活動の制限などにより、減収減益となった。北中米は、米中貿易摩擦の長期化や新NAFTAの発効遅れなどの影響もあったが低調に推移し、売上総利益率の低下に伴う売上総利益の減少などにより増収減益となった。
◆ユーシン精機
売上高は37億4300万円で同31・0%減、営業利益は3億円で同55・0%減となった。
地域別では、北米は医療関係を中心に堅調に推移したものの、設備投資意欲の減退で日本・アジアでの取出ロボットの販売が減少した。欧州での特注機は一定の売上はあったが、納品時期の違いで減少となった。
◆住友重機械工業
プラスチック加工機械事業が含まれる精密機械部門の売上高は383億円で同9%減、営業利益は36億円で同5%増となった。 プラスチック加工機械事業は、コロナ影響もあり、中国の電気電子関連の需要が低迷したことや、世界的に自動車関連の需要が減少したことから、受注、売上、営業利益ともに減少した。その他精密機械事業は、半導体関連の需要が堅調で、受注は前年同期比で減少したが、売上、営業利益は増加した。
◆日本製鋼所
樹脂製造・加工機及び成形機が含まれる産業機械事業の売上高は342億500万円で同22・3%減、営業利益は34億2300万円で同46・7%減となった。
同事業では、自動車分野向け樹脂製品の需要が大幅に減少し、樹脂製造・加工機械および成形機が減少し、減収減益となった。