デンカは9月14日、ESG経営に基づくガバナンス強化に向け、気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)提言への賛同を表明したと発表した。今後、TCFDが運営するコンソーシアムに参画し、有価証券報告書、統合報告書、ESG情報サイトを含む同社ホームページ等を通じて、気候変動に関する財務・経営情報の開示を積極的に行っていく。
なお、同件による同社の2020年度連結業績への影響はないとしている。
TCFD提言では各企業に対し気候変動関連リスクに関する財務情報の開示を推奨しており、国際的な枠組みとして採択されたパリ協定においても、産業革命以前からの平均気温上昇2度C以下を目標として定めるなど、温室効果ガスの排出削減対策だけでなく気候変動に対する財務情報・経営情報の開示が近年求められている。
同社は化学メーカーの責務として温室効果ガスの中長期の排出量削減目標を策定し、この達成に向けてクリーンエネルギーである自家水力発電所の増設や、高効率ガスタービン発電機の導入等の施策を進めている。また、気候変動に対するソリューションとして、xEVに欠かせないリチウムイオンバッテリー向け高純度導電助剤をはじめ車載モジュールに使用される電子・先端素材や、自然災害から守る農地かんがいシステム、CO2排出ゼロの環境配慮型コンクリートなど同社の基盤技術を活かしたスペシャリティー製品を供給している。さらに、気候変動の影響を受けにくい農作物の栽培を促進するバイオスティミュラントの開発や、CO2の回収・有効利用を図る革新技術の導入を検討している。
同社はSDGsを羅針盤に、今後も様々な環境保全・保護に関する取り組みを進め、地球環境に配慮した企業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。