白石カルシウム(大阪市北区、白石恒裕社長)は今年4月、トップの意思決定をより早くする狙いから、組織体制を変更した。新たに営業本部、管理本部、経営企画室の3本部制とし、その下にグループを置いてトップに情報が迅速に伝わるようにした。
このうち、営業本部は国内と海外拠点を持つ日系企業を担当する国内営業グループ、従来の国際部がローカル戦略を練る海外営業グループ、食品や農薬、畜産用の資材を販売する食品アグリ資材グループの3グループ体制で活動している。
足元(20年4~7月)の国内売上は前年同期比75%程度で進捗している。4月はコロナの影響をそれほど受けずにいたが、5~6月は主な取引先である
このほか、食品アグリ資材グループで扱う原材料はコロナ禍でも安定した売上があり、会社全体の業績を下支えしている。
中国やアセアンを中心に展開する海外拠点では、コロナが一足早く収束した中国は、2月を底に4月以降はほぼ計画通りで推移。中国は上海に商社部門の白石カルシウム上海国際貿易有限公司と、ゴム練りの上海東武橡胶中心有限公司を展開しているが、両拠点とも比較的順調だ。
アセアンでは、タイは8月に入り自動車生産が急速に戻ってきている。インドも厳しい状況が続いていたが、ここにきて回復基調にある。マレーシアも8月に入り、モノがスムーズに動くようになっている。
今期の営業方針は、「コロナが収束しても元の状態に戻るか不透明な中で、現在は中長期的にアフターコロナを見据え、新たな施策を策定し直している最中」(国内営業グループ大藪祐介副本部長)と語る。ただ、収益基盤の商材は取りこぼさないようしっかりフォローするとともに、新規商材の発掘を努めていく。
下半期の見通しは、海外では中国は引き続き順調な他、アセアンではタイ、インドは明るい兆しがみられる。国内は9月、10月は自動車生産が回復するが、それ以降は不透明な状況とみている。下半期はかなり巻き返しが見込めるが、20年度通期は前年度並みに戻すのは難しい状況にある。
営業体制では、従来の対面営業は大切にしながらも、WEBを活用した営業も強化していく。
さらに、取引先の与信管理の把握もより力を入れる。資金面で在庫をあまり持ちたくない取引先が今後増えるとみており、「商社の出番が増える」(大藪副本部長)。取引先のご要望にしっかり対応していく考えだ。
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