JSRは9月14日、LCDパネル用材料市場における競争環境の変化に対応し、ディスプレイソリューション事業を再編すると発表した。同社では中国市場と高付加価値製品への選択と集中をより一層徹底することで、同事業の競争力を強化していく。
なお、同事業の再編内容は以下の通り。
①一部製品・市場からの撤退。対象製品は着色レジスト、感光性フォトスペーサーで、対象市場は韓国、台湾。撤退時期は2021年9月末までの撤退が完了する。なお、配向膜・絶縁膜・保護膜・OLED材料、及び中国向け着色レジスト・スペーサーの事業は継続する。撤退対象事業の売上収益規模は19 年度連結売上収益の約2%に相当し、僅少のため連結業績に与える影響は軽微としている。
②子会社のJSR Micro Taiwan(JMW)の工場閉鎖と同社の他グループ企業への生産移管。2022年3月末に工場閉鎖。移管製品は台湾・中国向け保護膜、絶縁膜などをJSRマイクロ九州、JSR Micro (Changshu)に移管する。
③子会社JSR Micro Korea (JMK)のキャパシティの削減と同社の他グループ企業への生産移管。2022年3月末に2交代制から日勤制へ変更する。
移管製品は中国向け着色レジスト、感光性フォトスペーサー、保護膜、絶縁膜などをJSRマイクロ九州、JSR Micro (Changshu) に移管する。
④グローバルでの販売・開発体制の見直し。
JMWとJMKでの現地顧客向け販売活動並びに技術サービスは継続するが、開発体制を中心として同社並びにJSR (Shanghai) (JSR―SH)に一部集約し、より効率的な運営を志向する。なお、JSR―SHでは開発用ラボの移転・拡張を併せて実施し、顧客への提供可能技術サービスを拡充することも併せて決定した。
⑤人員削減については、事業再編により撤退と移管が完了する2022年3月末をめどに、JMWとJMKで必要な人員削減を実施する予定としている。