ライオンは9月10日、花王と同社が、プラスチック包装容器資源循環型社会の実現に向けて、フィルム容器のリサイクルに協働して取り組むことを決定したと発表した。
両社は資源循環型社会の実現をめざし、フィルム容器のリサイクルに企業の枠を超えて取り組む。リサイクルを加速させるためには、回収の基盤となるしくみの構築とリサイクル技術の開発が不可欠。同時に、製品使用後のプラスチック容器の分別など、消費者を含めたステークホルダーとともに社会の意識を変えていくことも必要になる。
そのために両社は、以下の4つの活動を進める。
①消費者、行政、流通との連携による、フィルム容器の分別回収のしくみを検討する。
②幅広い製品への利用や消費者の分別回収のしやすさに配慮し、かつ企業間あるいは業界の垣根を越えて共通利用が可能なリサイクル材料・容器の品質設計に取り組む。
③共同で回収・再生したリサイクル材料の活用方法を検討する。
④リサイクルに対する消費者の理解・協力を深めるため、普及促進・啓発活動に取り組む。
以上の活動を通じて、両社は回収・リサイクル全体の経済性の改善に取り組んでいく。まずは、地域と協力してフィルム容器の分別回収と啓発を行なうリサイクリエーションの協働を開始し、フィルム容器リサイクルの技術的課題を共有化する。将来は、リサイクリエーション活動を継続しながら、フィルム容器から再度フィルム容器に再生する水平リサイクルをめざし、フィルム容器リサイクルの社会実装を進めていく。
両社はこれまでも、プラスチックの資源循環をねらって消費者と協力し、ゴミにしかならなかった使用済みのプラスチックを回収・リサイクルする実証実験を、消費者のプラスチックに対する意識の高まりを念頭に入れて進めている。同社では、循環型社会への貢献と、定期的なハブラシ交換を促すことで消費者の歯と口の健康維持へ貢献することを目的とする「ハブラシ・リサイクルプログラム」を通じて、消費者から使用済みハブラシを回収・リサイクルし、植木鉢などにリサイクルする取り組みを推進している。