ゴムシート(板)は自動車や一般産業機械、半導体製造装置などさまざまな産業分野で使われている。このため、ゴムシートは景気のバロメーターと呼ばれることもあり、経済環境とほぼ似たような傾向を示しながら、シートの需要も上下動すると言われる。
弊紙では、ゴムシート特集に合わせゴムシートを扱う各企業にアンケートを実施した。アンケートでは、20年1~6月(上半期)売上実績、20年7~12月(下半期)の売上予想、20年1~6月の製品価格、20年7~12月の製品価格予想ならびに20年年間のシート需要予測などを聞いた。
それによると、20年上半期(1~6月)の売上(対前年同期比)については、「やや下降」の回答が75%、「下降」が25%という結果となった。昨年10月に掲載したアンケート調査では、「上昇」と「横ばい」「やや下降」の回答がそれぞれ約3割弱となったことを踏まえると、新型コロナの感染拡大による経済環境の悪化を受け、シート商社の業績も厳しさを増している。
20年下半期(7~12月)の売上予想は、回答企業のすべてが「やや下降」と回答した。コロナ収束時期が見通せず、下半期の売上は引き続き減少すると見る企業が多いことがわかる。また、20年年間のシート需要予測(対前期比)に関しても「減少する」が100%となっている。
一方、シート製品価格の動向は、20年上半期は「横ばい」が75%、「やや下降」が25%となった。また、20年下半期の製品価格(予想)についても「横ばい」が75%、「やや下降」が25%となった。物流費の上昇局面は続くが、原料価格は一時期に比べやや落ち着いている。これが製品価格にも反映されたものと思われる。
最後に、「コロナ感染症対策の行政による各種支援策で活用したものはあるか」では、「持続化給付金」「家賃支援給付金」「休業/自粛に対する支援金」「雇用調整助成金」「各種融資」「その他」の5つの回答(複数回答可)を用意した。それによると、回答企業5割が「雇用調整助成金」「各種融資」をそれぞれ活用する結果となった。
2020年11月16日