日本デザイン振興会は10月1日、今年度の「グッドデザイン賞」の受賞結果を発表した。4769件の応募の中から1395件が受賞した。ゴム関連企業ではタイヤメーカーのほか、ショーワグローブと中興化成工業が受賞した。また、横浜ゴムのトラック用ウルトラワイドベーススタッドレスタイヤ「903W」が、受賞対象の中で審査委員会により特に高い評価を得た100件に贈られる「グッドデザイン・ベスト100」に選出された。
◆ブリヂストン
ブリヂストンは、アスリート向け「義足ソール」と電動クロスバイク「TB1e」の2製品が受賞した。アスリート向け「義足ソール」は、パラトライアスロンの選手用としてどんな路面でも安心して走れるラン用義足ソールとなっている。タイヤ開発で培った技術を基に、濡れた路面や石畳等どんな路面でも転倒の不安なく全力で走ることが可能なグリップ性能と、練習~試合へと長く使える耐摩耗性能を兼ね備えたゴムソールを実現している。電動クロスバイク「TB1e」は、クロスバイクが持つ走りの楽しさと、同社独自の「走りながら自動充電機能」などを搭載し、日常での実用性を兼ね備えている。通常のスポーツ自転車では標準装備されることの少ない鍵やドロヨケ、スタンドといったパーツも標準装備し、日常の実用性を確保しながらも、スポーティなスタイルや、V型ブレーキ・外装変速機を搭載し、クロスバイクが持つ走りの楽しさも兼ね備えた、より快適な通勤スタイルを提案する商品となっている。
◆横浜ゴム
低燃費タイヤブランド「ブルーアース」の2商品、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「ジオランダー」の2商品と、トラック用ウルトラワイドベーススタッドレスタイヤ「903W」の計5商品が受賞した。「ブルーアース」の2商品は、ウェットやドライ路面での性能を確保しつつ急な積雪にも対応できる雪上性能を実現した乗用車用オールシーズンタイヤ「ブルーアース4S・AW21」と、オンロード性能に特化しクロスオーバーSUVにふさわしい舗装路でのハンドリング性能や静粛性のほか、ロングライフ性能を兼ね備えているクロスオーバーSUV専用サマータイヤ「ブルーアースXT・AE61」。「ジオランダー」の2商品は、安全性や静粛性のほか耐摩耗性能や低燃費性能を備えたクロスオーバーSUV向けグランドツーリングタイヤ「ジオランダーCV・G058」と、アグレッシブな外観と優れたオフロード性能に加え、オンロードでの快適性や環境性能を両立したSUV・ピックアップトラック向けタイヤ「ジオランダーX―AT」。さらに両商品とも急な降雪にも対応する「M+S(マッド&スノー)」規格となる。「903W」は優れたスタッドレス性能と摩耗ライフを両立したウルトラワイドベースタイヤで、トラックに使用する2本1組の複輪を単輪に置換できるため、軽量化による積載量増加やタイヤ組み換え・日常点検などの省メンテナンス化に貢献する。独自技術「スパイラループ」によってベルト構造を強化することで幅広タイヤの課題となる形状保持を実現し、製品化を達成した。
◆クムホタイヤ(韓国)
乗用車用オールシーズンタイヤ「SOLUS・4S・HA32」と 乗用車用冬用タイヤ「Winter PorTran CW11」の2商品が受賞した。「SOLUS・4S・HA32」は、優雅な曲線を描くV字型のトレッドデザインで、ウェットとドライを頻繁に繰り返す欧州独特の気象条件に対応した設計になっている。「Winter PorTran CW11」は、接地面の中心部とショルダー部に新たなジグザグ上の溝を配置し、積雪時や湿潤時の排水性能を向上させた。また、トレッド内に施された3次元サイプによりショルダー部の強度を増し、乾燥時の性能も向上させた。
◆ショーワグローブ
防寒アウトドアグローブ「TEMRES・01・winter/TEMRES・02・winter」が受賞した。冬季・寒冷地における作業での、グローブの中の汗で手が冷えたりムレるなどの不快な状態を解消するため、透湿性と防水性を兼ね揃えた特殊なポリウレタンをコーティングし、汗などの湿気を外部に放出することでムレ感を軽減した。また、マイナス60℃の環境下でもグローブ本体のやわらかさを保ち、軽量化も実現したことにより、長時間の使用や持ち運びも苦にならないようにした。
◆中興化成工業
建築用屋根材 「チューコーフローふっ素樹脂製 高透光膜材料」が受賞した。サッカーなどの競技を行う天然芝(ピッチ)のグラウンドは、大規模なスタジアムでは観客席を覆う屋根によって日光が遮断され、芝生の生育を阻害するという問題があった。この高透光性膜材は、開口率の高いメッシュ状のガラスクロスにふっ素樹脂フィルムをしわ、破れなく均一に複合化することにより、芝生の生育を妨げない透光率50%を実現し、高い強度も兼ね備えた。耐候性、軽量・高強度、不燃性などふっ素樹脂フィルム優れた特性と、芝生の生育を両立させるデザインでの製品化に成功した。