ニッタ(大阪市浪速区、石切山靖順社長)のホース・チューブ製品の21年3月期第1四半期(4~6月)売上は前年同期比20・8%減となった。7月以降の状況は、チューブ製品では、自動車業界向けで若干の回復が見られる。一方、半導体製造装置向けは7月までは堅調な動きを示していたが、「8月は踊り場を迎えており、需要は低下している」(同社)。ただし、半導体関連は10月以降復調に向かうことが予想され、同社でも需要の盛り返しに期待している。
ホース製品では、建機向けは4~6月が低調に推移した。建機向けはメーカー各社や地域によって生産動向がまだら模様にあるが、地域では中国の建機市場が堅調。このため、中国工場で生産する中型ショベルなどの建機向けホースは好調が続く。このほか、フォークリフト向けのホースも大きな落ち込みはみられず、需要は前年並みを維持している。
現在、注力するホース・チューブ製品は、超柔軟樹脂油圧ホース「Linemate®(ラインメイト)」LB70シリーズ、スポット溶接用柔軟難燃チューブ「FUKチューブ」を挙げる。注力製品の状況は、LB70シリーズは工作機械業界など、FUKチューブはロボット業界などへのスペックイン活動が実を結び、「新規採用するユーザー、機種は徐々に増えている」とし、「今後は搭載機種の生産増に期待を寄せている」(同社)。こうしたスペックイン活動が奏功するのも、同社が製造・販売・技術一体で開発を進めるCFT(クロスファンクショナルチーム)活動の成果といえる。
ホース・チューブ製品以外では、8月1日より販売を始めた自動工具交換装置(オートマチックツールチェンジャー)「NITTAOMEGA(ニッタオメガ) typeXM)」の拡販に注力している。近年、自動車製造分野では、搬送治具の大型化、ロボットの高速化に追随するため、自動工具交換装置においても薄型・軽量化が求められている。このような市場ニーズのお応えすべく、「NITTAOMEGA typeM)」の上位可搬タイプとして開発。特徴は薄型・軽量化、250~350kg可搬対応。
従来機種に対し45%の薄型化、30%の軽量化を実現し、さらに可搬重量も50kgアップさせた。また、安全性・耐久性・メンテナンス性の向上などを図った。
営業活動では、「コロナ禍でお客様へ訪問しにくい状況にあるが、情報発信力をもう一段高めることで、新しいお客様、既存顧客でも新しい部署へ採用を広げていく」(同社)方針。ユーザー訪問はもちろん、ホームページやWEBツールを活用した提案も積極的に進める考えだ。
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