CMB特集 20年受注は減少傾向へ 

2020年11月16日

ゴムタイムス社

 ゴム製品を作る上では欠かせないCMB(カーボンマスターバッチ)。CMBは製品の品質を向上するためにも重要な役割を担っている。本紙は、CMBメーカーにアンケート調査を実施し、CMB業界の現状や課題を探った。

 アンケートは今年1~9月にかけて実施。質問項目は、主な生産品目、20年1~6月の受注量の動向(対前年同期比、以下同)、20年1~6月の売上見込み(同)、通期の需要見通し、現在抱えている課題(複数回答可)、注力している取り組み(複数回答可)などで、各企業から回答を得た。

 生産品目はCMBのほか、カラーコンパウンドをはじめ、樹脂コンパウンド、押出加工品、ゴムスポンジ、防振パッド、プレス成形品など、各CMBメーカーにより多岐に渡っている。

 各企業の20年1~6月の受注動向(同)をみると、回答したすべての企業は「下降」

となった。
 日本ゴム精練工業会が集計した2019年アンケート調査によると、2019年のゴム練生産量は黒CMB11万6550t、色CMB1万9680tとなり合計13万6230tとなっている。生産量は16年から3年連続で伸びていたが、米中貿易摩擦の影響などもあり、4年ぶりに減少に転じている。19年に引き続き米中貿易摩擦に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による自動車業界の需要低迷が響いているといえそうだ。
 また、20年の1~6月の売上高見込み(同)や通期の需要見通しに関する設問でも、それぞれ同じく回答したすべての企業が「下降」と答えた。

 現在抱えている課題(複数回)を見ると、「受注量の減少」が5割、「老朽設備対策」が3割を占めた。他には「設備のメンテナンス」「人材育成」が挙がっている。 

 こちらの設問も日本ゴム精練工業会のアンケートで抱えている課題と同様に、老朽化設備への投資が一番多く、次に多かったは受注量の減少だった。

 現在注力している取り組みという設問では、「ユーザーのサービスの対応力」「研究開発」の回答が3割と最も多く、次いで回答が多かったのが「ブランドの信頼」「技術力の信頼性」「その他」となった。
 受注環境が徐々に厳しさを増しているなか、顧客の信頼を獲得するためには、CMBメーカーは顧客の多種多様なニーズに対応していくほか、特長ある製品の提供や小回りの利くサービスへの対応を行うことが、より求められている。

全文:約991文字

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