酢酸セルロース微粒子を開発 ダイセル、製品化進める

2020年10月09日

ゴムタイムス社

 ダイセルは10月5日、環境に優しく柔らかい触感を持つ酢酸セルロース真球微粒子「BELLOCEA」を開発したと発表した。主に化粧品向けの素材として、製品化を進めていく。

 BELLOCEAは真球状の微粒子で、同社の長年の主力製品である酢酸セルロースを同社独自の技術で加工している。酢酸セルロースは天然に存在する「酢酸」と、植物由来の「セルロース」を原料とした環境にやさしい素材で、土壌やコンポスト(廃棄物中)のほか、海洋でも生分解されることが確認されている。同社は、長年培った技術によって酢酸セルロースを微粒子へと加工することで、表面がなめらかで粒の揃った高度な真球状のBELLOCEAの開発に成功した。BELLOCEAは、柔らかい触感と伸びの良さを特徴としている。

 昨今、マイクロプラスチックによる海洋環境汚染が世界的に問題視されている中で、化粧品業界においても環境にやさしい天然由来の素材が求められている。同社は、化粧品業界の環境対応ニーズに応えるものとして、すでにBELLOCEAのサンプル品の提供を行っており、製品化に向けて検討を進めている。また同社は、酢酸セルロース真球微粒子に関して、2020年10月下旬に開催される国際化粧品技術者会連盟の学術大会「The 31st IFSCC Congress 2020 Yokohama」での発表を予定している。

 同社は今後も、「美と健康」に貢献する化粧品素材の開発を進めていくとしている。

 

顕微鏡で拡大したBELLOCEA

顕微鏡で拡大したBELLOCEA

 

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