丸紅は10月15日、米国でタイヤ自動摩耗計測技術を開発するTyrata社と、Tyrata社が開発したタイヤ自動摩耗計測機材の日本市場への導入に関する業務提携契約を9月17日に締結したと発表した。同社は、本機材の国内展開に向けて実証実験を進め、2年以内を目途にサブスクリプションモデルを視野に入れたサービスの提供を目指す。
同社は従来のタイヤ販売に加え、新たなビジネスを模索する中で独自の技術を持つTyrata社に着目し、今回の業務提携に至った。Tyrata社は、2017年に設立された米国デューク大学発のスタートアップで、独自に開発したセンサーとアルゴリズムによってタイヤの摩耗をリアルタイムに直接計測する技術を開発した。
タイヤトラブルの主な原因は、突発的な事故を除き、空気圧の低下と摩耗によるものだが、空気圧をモニタリングするサービスは多数提供されているのに対し、摩耗を自動的に計測する技術は、タイヤを構成するゴムが絶縁体であるが故にIoT化が困難であり、未だ一般化されていない。自動運転を見据えた自動車のIoT化が加速するにつれ、メンテナンスの自動化が求められるようになり、タイヤの摩耗状況を自動でリアルタイムに計測する需要は今後更に高まっていくものと考えられる。
同社は、同機材を日本へ導入し、物流会社との実証実験を通じて、タイヤ自動摩耗計測の需要やドライバーの安全性の向上、タイヤコストの削減効果といった検証を進めていく。検証後の国内展開開始の際には、Tyrata社と独占代理店契約を締結する予定となっている。同社とTyrata社は、実証パートナーとしてお互いの知見を活用して、タイヤの自動摩耗計測機材の普及に取り組み、安全なスマート社会の実現に貢献していくとしている。