横浜ゴム㈱は、高圧力、大流量に対応する高性能な油圧配管用カップリング「YZ128S-04J」を開発した。同商品はトヨタ自動車(株)の「LEXUS LFA」の6速ASG(Automated Sequential Gearbox)変速制御システムに採用され、すでに納入している。
油圧による制御が行われるASG変速制御システムは、素早いシフト操作を可能にするため、高圧力、大流量が必要とされる。「YZ128S-04J」はその油圧パワーユニットとクラッチおよびギアボックスの制御ユニットを結ぶ配管のカップリング(継手)として採用されている。高圧力、大流量に耐えうる構造だけでなく、軽量化や製造時・メンテナンス時の作業性の良さなど従来にない優れた品質と性能が求められた。
これらの課題を克服するため、構造面では構造解析および流体解析を全面的に採用した設計を新たに行い、低圧力損失で瞬間的な大流量に耐えうる性能を実現した。圧力損失については、一般的な同一外径のカップリングと比較して約30%の低減を図った。
材料面ではステンレス鋼とアルミ合金を適所に採用し、高強度でありながら軽量、コンパクト化を実現した。また、ノンスピルバルブ構造のため脱着時の油漏れを防ぐほか、油圧制御の悪化要因となる製造時やメンテナンス時の空気混入を最小限に抑制できる。回転式スリーブによるロック機構を採用し、ワンタッチでの脱着も可能となった。
横浜ゴムでは、建設機械をはじめとした様々な用途に応じたカップリングを展開している。今回の「YZ128Sー04J」向け開発で培った流体解析、軽量化などの技術を応用し、高性能なカップリング、ホース配管製品のさらなる開発を図っていく。
2011年11月29日