樹脂ホースメーカーの十川産業(東京都府中市、横田郁雄社長)の20年度上半期(4~9月)売上は対前年度比で91%となった。
製品別に見ると、メインの工業用ホースの上半期は同80%で推移した。コロナで工場の設備投資が先送りになったことに加え、緊急事態宣言の発出により、自動車産業で生産調整、在庫調整が行われたことも響いた。
一方、半導体関係や電子部品関係については落ち込みもなく、荷動きは順調だ。さらに、工業用は中国やアセアンなどの輸出関係は、「中国向けは3月くらいからV字回復している」(同社)という。
住宅設備関係のホースは同80%となり、特に住宅リフォーム関係はコロナでリフォーム工事が先送りされた影響を受けた。
エアーツール用ホースは前年並み。ただ、ホームセンター向けは好調な動きを見せている。
ドレン用ホースは、政府による特別定額給付金の後押しもあり、エアコン用や中国の上海十川橡塑制品有限公司で生産する洗濯機用ホースは好調に推移している。
現在、同社が注力する業界は半導体・電子部品業界を挙げる。「半導体・電子部品業界は5G、6G関連で大きな需要が創出される」(同社)とみているためで、半導体製造装置に組み込まれるホース製品や、半導体や電子部品関係の工場設備に使われるホース製品に注力していく。
さらに、従来品を改良し機能性をより高めた新製品を今秋発売する予定で、今後問屋やユーザーにPRを図っていく。
20年度の見通しは、「コロナ禍でもあり、決して背伸びをすることなく、下半期の売上は上半期と同じ91%を見込んでいる」(同社)としている。
コロナ禍での営業体制は、訪問による面談を避けるお客様にはWEB会議ツールを活用しているが、緊急事態宣言解除後、営業活動が徐々に再開され、「ユーザー訪問の回数は月を追うごとに増えている」(同社)と語る。 20年度下半期はユーザー訪問回数をさらに増やし、既存のお客様の深堀を図るほか、新しいお客様の開拓にも力を注ぐ考えだ。
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