自動車用ゴム部品メーカー5社の21年3月期第2四半期連結決算が出そろった。売上高は、新型コロナ感染拡大による自動車生産減少の影響などを背景に、全社で前年同期を下回った。利益面でも、コロナによる自動車販売減の影響が大きく、全社減益となった。
◆豊田合成
売上収益は3094億円で前年同四半期比 26・6%減、営業利益は45億円で同75・9%減となった。売上は、中国で主要顧客の自動車生産台数の増加はあったが、その他の地域全般ではコロナによる減販影響等で減収。営業利益は政府補助金の活用を含む合理化努力や労務費・経費の抑制により減益幅を圧縮したが、コロナによる減販影響が大きく減益となった。
◆NOK
シール事業の売上高は1229億9400万円で同24・0%減、営業損失は8億5400万円(前年同期は115億7200万円の営業利益)となった。自動車向けは、需要は回復基調にあるものの、第2四半期連結累計期間を通し国内外の需要が落ち込んだ。一般産業機械向けも建機、工作機械等の需要が落ち込んだ。営業損失は人件費・経費の削減に努めたが、販売減の影響が大きかった。
◆住友理工
自動車用品は、売上高が1431億円で同28・6%減、事業損失は77億円となった。
地域別では、日本は前期に消費税増税前の駆け込み需要があったことや、コロナ影響から車生産台数が減少し、消費意欲も冷え込んだため減収。米州、欧州は、積極的な経済活動支援策などにより、当初想定した生産台数よりも回復が見られるものの、生産台数が減少し減収。中国は、日系メーカーを中心に自動車販売台数が増加したため、増収。一方、タイでは特に輸出向けの生産台数が減少し、減収となった。
利益面は、中国を除く地域では売上減少により、減益となった。一方、タイは上期通期で黒字化。中国は、売上増加や収益改善活動の効果により、増益となった。
◆西川ゴム工業
売上高は327億6500万円で同33・8%減、営業損失は7億8200万円(前年同期は38億7400万円の利益)となった。
セグメント別では、自動車生産台数が減少したことなどで、全ての地域で売上高は減収となった。
営業利益は、日本と北米が損失となったが、東アジアは原価低減活動などが奏功し、4割増となった。東南アジアは、大幅に減少した。
◆フコク
売上高は284億800万円で同25・3%減、営業損失は8億9900万円となった。
セグメントのうち、機能品事業は国内のワイパーブレードラバーなど、回復傾向にある製品もあるが、新型コロナの影響により受注は大幅に減少し減収となった。
防振事業は、新型コロナ影響により大幅に受注が減少し減収。
ホース事業は、新型コロナ影響は他事業よりも少なかったものの、受注は減少し、減収となった。