タイヤ4社の20年12月期第3四半期の非タイヤ部門は全社で4社減収減益となった。
◆ブリヂストン
化工品事業、スポーツ・サイクル事業、米州多角化事業からなる多角化事業は、売上収益が3786億円、調整後営業利益はマイナス25億円となった。化工品事業の売上収益は1603億円、米州多角化事業の売上収益は1685億円、スポーツ・サイクル事業の売上収益は480億円となった。ただ、第3四半期のみでは米州多角化事業で屋根材が堅調に推移したことを背景に、多角化事業全体で70億円の黒字を確保した。
◆住友ゴム工業
非タイヤ事業は、スポーツ事業と産業品他事業で構成されている。第3四半期の両部門合計の業績は、売上収益が792億円で前年同期比14%減、事業利益は1億円で同98%減となった。このうち、スポーツ事業は、売上収益が497億円で同20%減、事業損失は19億円(前年同期は23億円の利益)となった。ゴルフ用品、テニス用品とも前年同期を下回った。産業品他事業の売上収益は294億円で同2%減、事業利益は20億円で同2・3%減となった。制振ダンパー、手袋が堅調だったが、OA機器用精密ゴム部品では主要OA機器メーカーのプリンター・コピー機の生産減、インフラ系商材における受注減もあり減収となった。
通期予想では、スポーツ事業は売上収益が680億円で前期比20%減、事業利益が15億円の損失(前期は43億円の利益)、産業品他が400億円で同3%減、事業利益は30億円で同12%減を見込んでいる。
◆横浜ゴム
非タイヤ事業は、MBとATGから成る。第3四半期の両部門合計の業績は、売上収益が1186億円、事業利益は88億円となった。
このうち、MB部門は、売上収益が711億8200万円で同18・3%減、事業利益は25億6700万円で同54・7%減。ホース配管事業、工業資材事業、ハマタイト事業、航空部品事業とも売上収益が前年を下回った。ホース配管事業は、経済再開により市場は回復しつつあるものの、第2四半期までの需要減少の影響が大きかった。
ATG部門は、売上収益が473億7600万円で同11・7%減、事業利益は62億3300万円で同17・7%減だった。オフハイウェイタイヤは、市販向けを中心に需要が回復基調にあるものの、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響により第2四半期までの需要の減少が大きく、売上収益は前期を下回った。
通期予想では、MBは売上収益が223億円減の970億円、事業利益は48億円減の35億円、ATGは売上収益が78億円減の630億円、事業利益は23億円減の81億円を見込んでいる。
◆TOYO TIRE
非タイヤ部門は、化工品事業と硬質ウレタン事業の譲渡に伴い、自動車部品事業へ名称変更した。
第3四半期の自動車部品事業の売上高は260億円で前年同期比22・7%減、営業損失は19億8000万円(前年同期は16億1600万円の損失)となった。
防振ゴムの売上高は、新型コロナウイルスの感染拡大による完成車メーカーの生産調整の影響で減少となった。
非タイヤ部門の通期業績予想は、売上高が359億円で同19・4%減、営業損失は25億円(前年同期は29億1900万円の損失)を見込んでいる。
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