高機能複合材料の供給契約 帝人、仏サフラン社と締結

2020年10月29日

ゴムタイムス社

 帝人は10月27日、フランスのサフラン社との間で、航空機の部品に使用される高機能複合材料の供給に関する契約を締結したと発表した。

 サフラン社は、航空・宇宙、防衛に関連する事業を展開する複合企業体で、中でも航空機向けの部品製造については、エンジンや降着装置、内装品など、品質の高い装備品を製造・販売しており、航空機業界において高いプレゼンスを誇っている。

 同社は、これまで25年にわたりサフラン社に高機能素材の供給を行ってきたが、今回の契約締結により、次世代航空機用の高機能素材の供給をさらに強化するとともに、高機能複合材料の供給を開始する。同社は、航空機市場の諸課題に対してソリューションを提供すべく、サフラン社と協力・連携し、生産コスト改善や環境負荷低減に貢献する技術を開発していく予定としている。

 なお、同契約の締結後、同社がサフラン社に供給する最初の材料の一部は、同社グループにおいて高耐熱熱硬化プリプレグを製造・販売する米国・レネゲード社で製造する。

 同社は、2019年のレネゲード社の買収や、米国サウスカロライナ州での新しい炭素繊維製造拠点の建設など事業拡大策に取り組んでおり、今年度からの中期経営計画では、航空機向け炭素繊維中間材料の展開を「将来の収益源育成(Strategic Focus)」と位置づけている。同社は、これからも欧州・米国のグループ会社と連携し、グローバル市場において川上から川下に至るまで幅広く用途開発を推進、航空機向け炭素繊維製品のマーケットリーダーとしてソリューション提案力を一層強化し、2030年近傍までに航空機用途で年間900百万米ドル超の売上を目指す。

 乾秀桂同社炭素繊維事業本部長は、「このたびの契約締結は、これまでの両社の信頼関係をさらに発展させるものであり、航空機業界において、サプライヤーとしての帝人の地位をさらに強化していくものとなる。今後、当社はサフラン社と協力・連携することにより、生産性やコスト効率の改善ニーズに応えるべく、持続可能な軽量素材のさらなる拡大を図っていく」とコメントしている。

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