台湾貿易センター(TAITRA)は10月30日、不織布マスクの製造等に欠かせないメルトブロー製法に関する「台湾医療用マスク製造ソリューション」発表会をオンラインで開催した。
発表会には、台湾で医療用マスク製造に関わる「KNH Enterprise Co,Ltd.(以下、KNH)」や「Leader Extrusion Machinery Ind. Co, Ltd.(以下、Leader)」のほか、台湾企業3社が提携して立ち上げたプロジェクト「SCP Meltblown ALLIANCE」が参加した。
不織布メーカーのKNHは同社のBrian Wu氏(ゼネラルマネジャースペシャルアシスタント)が発表。同社が取り組んでいる「ターンキー・プロジェクトフェイスマスクソリューション」を紹介した。同プロジェクトは「高速フェイスマスク生産ライン」「フェイスマスク性能概要」「PPE(個人用防護具)キット」の3分野で構成されている。高速フェイスマスク生産ラインでは、子供用3Dフェイスマスク(日産45万枚)、折り畳み式フラットフェイスマスクライン(日産55万枚)、3Dフェイスマスクライン(日産45万枚)の3種類のマスクを製造し、全ての生産ラインのリードタイムは3カ月、アセンブリタイムは1ヵ月で製造することをアピールした。
また、顧客の様々な要望に対応できるように、原料保管から製造、品質保証、完成品の保管まで、国際規格に適合した即時実施可能なフェイスマスク業務の計画と設計を提供できることがKNHの強みだ。
次に、LeaderのElene Chi氏(セールスマネジャー)が同社の押出機の特徴を解説。同社は顧客の「最も経済的な押出機の生産ラインに投入したい」をコンセプトに、押出機に半自動コントロールシステムを採用することで、オペレーターはメルトブローン押出機のコントロール方法を短期間で学習できるという。また個人防護具として使用できる高品質のメルトブローン繊維を製造できることも披露した。
最後に発表したのが、台湾企業3社が提携して立ち上げたプロジェクトSCP Meltblown ALLIANCE。
同プロジェクトは、新型コロナウィルスの影響に対処するため、今年4月に台湾製造機械メーカー3社(「Shang Ta Chia Industrial Co, Ltd.」、「CHUMPOWER MACHINERY CORPORATION(以下、CHUMPOWER)」、「Plasco Engineering Inc.」)が提携を結んだ。
この提携を通じて提携各社の能力が強化され、メルトブローン押出技術分野でソリューションを提供できる。また製造機械の設計開発で起こるボトルネックを解消できるだけではなく、初のメルトブローン生産ライン「SCPーM1600」を市場へ最速で提供できるようになった。
SCPーM1600は6月18日にCHUM POWERの本社で発表され、25gsmメルトブローン生地の製造実演も行われた。今年9月時点で、台湾の各地へMBシリーズメルトブローン生産を12台以上納入しているという。
PLASCOのTony Wang氏(ゼネラルマネジャー)は今回の提携について「SCPのメルトブローン押出ラインを発表することで、ウイルスの感染防止に不可欠なフェイスマスクの生産量を引き上げられることを光栄に思っている」と述べている。
台湾貿易センターでは、新型コロナウィルスの影響を受け、渡航がままならない中、ビジネス促進の一環として、各産業を代表する企業より最新製品・技術などの案内を逐次ライブ配信している。
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