三菱ケミカルホールディングスの21年3月期第2四半期決算は、売上収益が1兆5048億1600万円で前期比17・7%減、コア営業利益は546億3900万円で同58・2%減、営業損失は281億2600万円(前年同期は1305億5700万円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期損益は496億8700万円(同813億1800万円の利益)となった。
機能商品セグメントは、売上収益が4736億円で同933億円減、コア営業利益は215億円で同186億円減。同セグメントのうち、機能部材は、足元で持ち直しの動きがみられるものの自動車用途を中心に需要が弱含む中、高機能成形材料の高機能エンジニアリングプラスチック等の販売数量が減少したことにより、売上収益は減少した。機能化学は、高機能ポリマーの機能性樹脂をはじめとして、総じて自動車向けの販売数量が減少したことに加え、フェノール・ポリカーボネートチェーンにおいて定期修理の影響により販売数量が減少したことにより、売上収益は減少した。
ケミカルズセグメントは、売上収益が3810億円で同1761億円減、コア営業損失は146億円で同505億円減。同セグメントのうち、MMAは、MMAモノマー等の市況に上昇の動きがみられるものの、前年同期比では下落したことにより、売上収益は減少した。石化は、エチレンセンターの定期修理の影響が拡大したことにより販売数量が減少したことに加え、原料価格の下落等に伴い販売価格が低下したことにより、売上収益は減少した。炭素は、原料価格の下落等に伴う販売価格の低下及びコークス等の需要減退に伴う販売数量の減少により、売上収益は減少した。
なお、当期間に発生したこととして、連結子会社である日本ポリプロが、収益力の強化に向けた構造改革の一環として、同社の五井工場(所在地:千葉県市原市)におけるポリプロピレン製造設備1系列(生産能力:7万トン/年)を2021年1月(予定)に停止することを2020年7月に決定した。また、連結子会社である日本ポリエチレンが、同社の鹿島工場(所在地:茨城県神栖市)における高圧法低密度ポリエチレン製造設備1系列(生産能力:6・2万トン/年)を2021年5月(予定)に停止し、同製品の生産を川崎工場(所在地:神奈川県川崎市)に集約するとともに、事業再構築の一環として川崎工場で生産しているエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)の生産・販売を終了することを2020年9月に決定した。
通期の業績予想は、5月に公表した業績予想から修正し、売上収益が3兆1750億円で前期比11・3%減、コア営業利益が1400億円で同28・1%減、営業利益が40億円で同97・2%減、親会社の所有者に帰属する当期損失が590億円を見込んでいる。