住友ゴム工業が11月5日に発表した2020年12月期第3四半期決算(IFRS)によると、売上収益は5402億4700万円で前年同期比16・1%減、事業利益は78億9600万円で同67・3%減、営業利益は65億1000万円で同71・7%減、四半期損失は67億9300万円で(前年同期は79億6300万円の利益)となった。
セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は4610億2900万円で同16・4%減、事業利益は77億1300万円で同61・0%減となった。国内新車用タイヤは、納入車種拡大によるシェアアップや低燃費タイヤを中心とする高機能商品の拡販を進めたが、コロナ影響により自動車メーカーの生産台数の大幅減が響き、売上収益は前年同期を下回った。
国内市販用タイヤは、ダンロップブランドの低燃費タイヤを中心に、高機能商品の拡販に加えて、新技術の「ナノ凹凸ゴム」を採用したダンロップ史上最高の氷上性能を実現したスタッドレスタイヤ「ウインターマックスゼロスリー」の早期展開に努めたが、コロナ影響を受け市場が低迷し、売上収益は下回った。
海外新車用タイヤは、コロナ影響で多くの地域で自動車メーカーの大幅な減産が発生し、売上収益は下回った。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域では、特に上半期の中国でコロナ感染拡大阻止に向けた都市封鎖が行われ、需要は大きく落ち込んだ。欧州・アフリカ地域及び米州地域でもコロナ影響で市場が低調。また、下半期に入り、地域により市場の回復度合いは異なるが、中国・北米地域など市況の回復の早い地域を中心に、高機能商品の積極的な拡販を進めた。
スポーツ事業の売上収益は497億9900万円で同20・1%減、事業損失は18億6100万円(前年同期は22億8300万円の利益)となった。
産業品他事業の売上収益は294億1900万円で同1・7%減、事業利益は20億3200万円で同2・3%減。製品では、制振ダンパー、手袋が堅調に推移したが、OA機器用精密ゴム部品では主要OA機器メーカーのプリンター・コピー機の生産減、インフラ系商材の受注減で減収だった。
◆通期予想を上方修正
20年12月期通期予想は、主にタイヤ事業で中国・北米地域などで市況回復が早い地域もあり、売上収益、事業利益とも前回発表を上回る見込みとなり、売上収益・利益ともに上方修正した。それによると売上収益は7750億円で前回発表予想から3・3%増、事業利益は310億円で同55・0%増、営業利益は80億円で同44・4%増、当期利益は90億円で同28・6%増を見込んでいる。