コロナ影響で減収減益 住友ベークライトの4~9月期

2020年11月12日

ゴムタイムス社

 住友ベークライトの21年3月期第2四半期決算は、売上収益が902億100万円で前期比14・1%減、事業利益は48億4900万円で同42・7%減、営業利益は39億3800万円で同52・6%減、親会社の所有者に帰属する四半期利益は31億6400万円で同56・6%減となった。

 セグメント別では、半導体関連材料は、売上収益が259億6600万円で同4・6%増、事業利益は39億3500万円で同4・7%減。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、リモートワークの推進拡大にともなうパソコンやWi―Fi等の通信機器の販売増加、家庭用ゲーム機の出荷増をうけ好調に推移した。車載用途での販売回復に遅れはみられるものの、中国市場向けを中心として繁忙な稼働状況が続いており、前年同期比増収だった。感光性ウェハーコート用液状樹脂は旺盛なメモリー需要をうけて堅調に推移しているが、顧客での在庫調整により前年同期比で売上収益は減少した。

 高機能プラスチックは、売上収益が307億9300万円で同29・1%減、事業利益はマイナス4億1300万円減。全世界的に自動車市場の不振が継続したことから、工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は前年同期比で大幅に売上収益が減少した。航空機内装部品は、米国航空機メーカーにおける品質問題に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で航空機産業全体が低迷した影響をうけ、売上収益は大幅に減少した。

 クオリティオブライフ関連製品は、売上収益が331億7400万円で同8・8%減、事業利益が27億6800万円で同13・2%減。ビニル樹脂シートおよび複合シートは、医薬品包装用途が顧客での在庫調整局面に入ったが、鮮度保持フィルム「P―プラス」を含む食品包装用途が外出自粛影響による巣ごもり消費の増加により販売を伸ばし、売上収益は前年同期比増加した。
 ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、主力の土木建材向けやエクステリア用途が住宅・建築工事の減少等により販売が減少したほか、サングラス等に使用する偏光板の欧州向けの販売が低調で売上収益は減少した。一方で新型コロナウイルス関連用途として飛沫防止板、医療用ゴーグル等の販売は大きく増加した。

 21年3月期の連結業績予想に変更はなく、売上収益が1830億円で前期比11・4%減、事業利益は100億円で同30・3%減、当期純利益は74億円で同17・7%減を見込んでいる。

 

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