帝人の2021年3月期第2四半期連結決算は、売上高が3941億4100万円で前年同期比9・6%減、営業利益は310億8500万円で同7・9%減、経常利益は302億1600万円で同8・7%減、四半期純利益は159億9600万円で同21・8%減となった。
営業利益は、マテリアル事業において大幅減益となったが、繊維・製品事業における医療用防護具(ガウン等)の貢献、堅調なヘルスケア事業やIT事業の好調持続により減益幅を縮小した。四半期純利益の減少については、マテリアル事業の海外子会社の収益悪化に伴う税負担率の上昇影響があった。
セグメント別では、マテリアル事業領域は、売上高が1263億3200万円で同26・4%減、営業損失は5億4600万円で、減収減益となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、同領域のポリカーボネイト樹脂は、ノートパソコン向けの特需はあったものの事務機用途や自動車用途での需要減により販売量が減少した。炭素繊維は航空機用途において販売量が大幅減となった。
ヘルスケア事業領域は、売上高が730億3700万円で同7・5%減、営業利益は164億9800万円で同15・2%減で、減収減益となった。同領域の在宅医療は、睡眠時無呼吸症候群治療におけるCPAP市場において、新型コロナウイルスの影響による受診抑制に伴う入院検査数の減少は回復の兆しがみられ、レンタル台数の増加が継続した。在宅酸素療法(HOT)市場では、病院内の感染回避のため在宅医療導入が選択されるケースが増加し、レンタル台数が増加した。
繊維・製品事業は、売上高が1581億800万円で同2・5%増、営業利益は126億9700万円で同353・2%増。新型コロナウイルス拡大により需要が急増した医療従事者向け医療用防護具(ガウン等)の早期大量供給が業績に大きく寄与した。また、水処理膜向けのポリエステル短繊維の販売が好調を維持し、大幅な増益となった。
IT事業は、売上高が285億6000万円で同23・7%増、営業利益は47億7000万円で同31・0%増。ネットビジネス分野の電子コミック配信サービスは、読者層の拡大が継続して引き続き好調に推移し、増収増益となった。
通期の連結業績予想は、売上高が8000億円で前期比6・3%減、営業利益は500億円で同11・0%減、経常利益は480億円で同11・7%減、当期純利益は250億円で同1・0%減を見込んでいる。