クラレの2020年12月期第3四半期連結決算は、売上高は前年同期比8・2%減の3937億7800万円、営業利益は同23・2%減の325億2700万円、経常利益は同21・4%減の298億2300万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同21・8%減の151億4700万円となった。
セグメント別では、ビニルアセテートの売上高は1867億5900万円で同7・3%減、営業利益は279億9600万円で同22・3%減となった。ポバール樹脂は、世界的な需要の低迷により販売が減少し、それに伴う生産調整を行ったため低調となった。光学用ポバールフィルムは、大型ディスプレイ向けを中心に需要が回復したことにより、堅調に推移した。PVBフィルムは、建築向け、自動車向けともに需要低迷の影響を受けた。水溶性ポバールフィルムは、引き続き、個包装洗剤向けの販売が拡大した。EVOH樹脂「エバール」は、自動車生産台数減少の影響を受け、ガソリンタンク用途の販売量が減少したが、食品包材用途は巣ごもり消費の拡大により販売量が増加した。
イソプレンセグメントの売上高は361億4300万円で同9・6%減、営業利益は21億3000万円で同48・1%減となった。イソプレン関連は、ファインケミカル、熱可塑性エラストマー「セプトン」ともに、主に中国、アジアにおいて需要低迷の影響を受けた。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、引き続き電気・電子デバイス用途が堅調に推移したが、自動車用途では生産台数減少の影響を受けた。
通期の連結業績予想は、売上高が5200億円で前期比9・7%減、営業利益が400億円で同26・2%減、経常利益が350億円で同27・5%減、親会社株主に帰属する純利益が150億円を見込んでいる。