日精エー・エス・ビー機械の2020年9月期連結決算は、売上高については、インド工場の一時的な生産停止があったものの、早期に立ち上げを終え復旧に成功した結果、第4四半期においては過去最高水準の売上を記録し、最終的には272億5400万円で前年同期比4・3%増と3期振りに増収転換した。利益面については、増収効果に加え、前期に計上した工場集約費用の減少や、新型コロナウイルス感染拡大の影響による各種販売費用の減少等により、売上総利益は123億4000万円で同6・0%増、営業利益は48億5000万円で同12・7%増、経常利益は46億6900万円で同11・4%増とそれぞれ増益となった。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、インド税制改正の影響による繰延税金負債の減少もあり、42億3900万円で同34・4%増と大幅増益となった。
米州では、消毒液や生活必需品等の容器需要の高まりを受け、北米及び中米市場での引き合いが回復したため、地域全体の売上高は81億1500万円で同22・7%増の増収となった。セグメント利益も、増収効果に加え、前期に売上債権に対して計上した貸倒引当金が当期において戻入となったことにより、12億5700万円で同64・6%増の増益となった。
欧州では各国での経済活動再開後は引き合いが順調に推移したため、地域全体の売上高は57億7000万円で同5・7%増の増収となった。一方、セグメント利益は展示会費用の増加等により7億6000万円で同22・6%減の減益となった。
南・西アジアでは、主要国でのロックダウン等の影響が長引き、各国市場が低調に推移したため、地域全体の売上高は75億6200万円で同19・7%減の減収となった。セグメント利益も、売上規模の減少や、インド工場の生産停止等の影響により、5億8800万円で同39・3%減の減益となった。
東アジアでは、主要市場の日本と中国において大型機の引き合いが活況であったため、地域全体の売上高は58億600万円で同25・1%増の増収となった。セグメント利益も前年度に計上した工場集約費用の減少や、グループ会社向けの採算性の向上等の影響により、40億700万円で同12・3%増の増益となった。
通期の連結業績予想は、売上高が360億円で前期比32・1%増、営業利益が65億円で同34・0%増、経常利益が66億円で同41・3%増、親会社株主に帰属する純利益が47億円で同10・9%増を見込んでいる。