ニチリンの20年12月期第3四半期連結決算は、売上高が358億900万円で前年同期比21・7%減、営業利益は24億3600万円で同50・4%減、経常利益は24億9200万円で同49・5%減、四半期純利益は13億7100万円で同40・1%減となった。
地域別では、日本の売上高が183億7200万円(前年同四半期248億3100万円)、営業利益が2億7300万円(同16億5300万円)。新型コロナに伴う著しい需要の減少により、国内顧客は減産を継続しており、また、海外子会社への部品供給も大幅に減少した。さらに、子会社向けの設備売上も前年に比べ大きく減少した。
北米の売上高が62億4000万円(同77億9500万円)、営業利益が5900万円(前年同四半期は営業損失7000万円)。日系企業が得意としてきたセダン車の需要が減少し、小型トラック・SUV車の需要が増加する傾向が強まっている。さらに、新型コロナによる影響で3月下旬より5月下旬にかけ顧客が一斉に生産停止を行ったことが影響した。
中国の売上高が69億6000万円(同81億7800万円)、営業利益は3億3800万円(同7億6000万円)。新型コロナによる影響で2月上旬より顧客が一斉に生産停止を行ったが、4月以降は順調な回復となっている。また、昨年末に生産を終了した上海日輪汽車配件から蘇州日輪汽車部件への業務移管に伴い、第1四半期では一時的な生産性の悪化があったものの、4月以降は改善が進められている。
アジアの売上高が94億円(同126億6000万円)、営業利益は17億1400万円(同27億8600万円)。ABS化による二輪用ブレーキホースの販売増に加え、フューエルホースの販売増が見込まれていたが、新型コロナによる影響で4月以降の売上に落ち込みが見られた。
欧州の売上高が33億1900万円(同38億7300万円)、営業損失は2億4200万円(前年同四半期は営業損失1億400万円)。新型コロナによる影響で3月下旬より5月下旬にかけ顧客が一斉に生産停止を行ったこと、さらに6月からの顧客需要のバラつきが影響した。
通期の連結業績予想は、売上高が500億円で前期比18・1%減、営業利益が37億円で同40・5%減、経常利益が38億円で同39・1%減、親会社株主に帰属する当期純利益が21億円で同23・6%減を見込んでいる。