尾髙ゴム工業(和歌山県紀の川市、氏野孝二社長)の20年度上半期業績は、売上・利益とも前年同期を下回る結果となった。20年度上半期を見ると、同社の主力とする鉄鋼金属業界向けのゴムロールは、昨年より受注先の製鉄会社がラインの統廃合を進めていることに加え、新型コロナの影響で自動車生産が落ち込み、製鉄所の稼働も急激に冷え込んだことから、巻き替え用のゴムロール需要は大幅に減少した。
製品展開では、長寿命、ラインの安定化を求める製鉄所のニーズに応えられる様、「製品づくりに注力している」(氏野社長)と強調する。
その一環として、今夏より鉄鋼金属向けの新製品として、耐摩耗性ウレタンゴムロール「ビヨンド」の紹介を開始。ビヨンドは従来のウレタン材質に比べ耐摩耗性と、耐熱性や耐加水分解を同時に向上させることで、物性をさらに高めた。「テストトライアルとしてご使用していただける話も進んでいる」とし、「当社のウレタンロールからの置き換えはもちろん、拡販も目指している」(氏野社長)。
この他、高性能ゴムロールの「タフエースシリーズ」や高耐久性ロール「ハードクラッチシリーズ」、高い強度とエッジ摩耗の低減を特徴とした新しいゴム配合「ガッツラバー」などオリジナルな高機能品は、製鉄所の各ラインで採用がじわじわと広がっている。
さらに、2年前の高機能金属展で上市