車両業界向け低調で減収減益 大日精化工業の4~9月期

2020年11月19日

ゴムタイムス社

 大日精化工業の2021年3月期第2四半期決算は、売上高は、印刷総合システム事業の包材向けパッケージ関連が堅調に推移したが、化学品事業および高分子事業の車両業界向けを中心に全般的に低調に推移したことなどにより628億3600万円で前年同期比20・0%減となった。営業利益は、売上高の減収に対して経費支出の削減を図ったが9億100万円で同71・2%減、経常利益は13億800万円で同61・4%減と減益となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益を計上したことなどにより21億6100万円で同18・4%減となった。

 化成品事業は、塗料・印刷インキ、情報表示・記録用の無機・有機顔料及び加工顔料、繊維用着色剤の製造・販売を行っている。情報表示・記録用顔料は、テレワーク拡大によるディスプレイ関連が堅調な一方、オフィス事務機関連が低調に推移した。結果、同セグメントの売上高は92億1700万円で同26・8%減、営業利益は4億1100万円で同73・4%減となった。

 化学品事業は、マスターバッチ、樹脂コンパウンドなどのプラスチック用着色剤、紫外線・電子線硬化型コーティング剤の製造・販売を行っている。車両業界向けの着色剤は、国内外ともに第2四半期から回復傾向となったが、全般的には低調に推移した。コーティング剤は主に情報・電子業界向けのディスプレイ関連が堅調に推移した。結果、同セグメントの売上高は331億7900万円で同21・8%減、営業利益は10億9700万円で同54・6%減となった。

 高分子事業は、ウレタン樹脂、天然物由来高分子の製造・販売を行っている。車両業界向けは、国内外ともに第2四半期から回復傾向となったが、全般的には低調に推移した。海外連結子会社においては中国・アメリカの事業拠点の業績が低調に推移した。結果、同セグメントの売上高は68億9100万円で同25・4%減、営業利益は7億8600万円で同42・2%減となった。

 通期の連結業績予想は売上高が1290億円で前期比16・8%減、営業利益が15億円で同69・1%減、経常利益が24億円で同57・0%減、親会社株主に帰属する純利益が28億円で同29・6%減を見込んでいる。

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