公益社団法人全日本トラック協会はこのほど、改正貨物自動車運送事業法により設けられた「標準的な運賃の告示制度」に基づき、令和2年4月に告示されたトラック運送業に係る標準的な運賃をトラック運送業に周知を進めていることを明らかにした。
標準的な運賃の告示制度とは、トラックドライバーの労働状況の改善・ドライバー不足の解消を図り、安定した輸送力を確保するため、法令を遵守して持続的に事業を行う上で参考になる運賃を国が示したもの。
現状、トラック運送業では、運転者の労働環境が他の産業と比べて長時間労働・低賃金の状況にあり、運転者不足が大きな課題となっている。この課題を踏まえ、運転者の労働条件の改善等を図るため、平成30年12月に①規制の適正化、②事業者が遵守すべき事項の明確化、③荷主対策の深度化、④標準的な運賃の告示制度の導入を内容とする貨物自動車運送事業法の改正が行われた。このうち③については令和2年7月に、①と②については同11月に施行されている。
今回告示された内容については、一般にトラック事業者は荷主に対する交渉力が弱いことや、令和6年度から年間960時間の時間外労働の限度時間が設定されること等を踏まえ、運転者の労働条件を改善し、法令を遵守して持続的に事業を運営する際の参考となる運賃を示すことにより、トラック運送業における取引の適正化・労働条件の改善を促進していく。
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