金陽社(東京都品川区、中田惠二社長)の20年度上半期の需要動向は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、国内、海外ともに4月頃から受注量の低下が目立ち始め、上半期は減収減益となった。
分野別では、ブランケット部門の国内は、コロナ影響は業種や顧客によって差があるものの、新聞印刷や一般商業印刷、ビジネスフォーム、製罐などいずれも売上は前年同期を下回った。
海外もコロナ影響を色濃く受け、売上は前年同期を下回った。「海外代理店の販売は4月にコロナ影響が鮮明となり、5月が底になった」と分析しているが、「7月からは徐々に回復傾向にあるものの、回復度合いは地域差が大きい」(同社)と感じている。
ロール部門全体の売上は前年同期を下回った。印刷用はコロナ影響が大きく、減収となった。フィルム用は、食品包装関係向けなどコロナ影響が比較的軽微な分野もあったが、総じて受注環境は厳しく、微減収となった。製紙用は、コロナ禍以前は全般的に復調傾向にあったが、コロナ影響が大きく減収となった。鉄鋼用についても、コロナ影響が大きく減収となった。
OA機器用は、低速領域プリンター向け製品など堅調に推移した分野もあるものの、コロナ感染拡大に伴い、顧客メーカーが国内外で減産となるなど、売上は前年同期を下回った。
20年度は軟包装やラベル印刷などに用いられるフレキソ印刷用の製品に期待を寄せている。フレキソ印刷は「環境に優しい印刷方式」としてこれまで以上