三菱ガス化学は11月9日、持続可能な社会の実現に向けてプラスチック課題解決に貢献すべく、2020年6月から事業開始した共同出資会社「アールプラスジャパン」に資本参加し、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組むと発表した。
同社では、事業活動を通じて持続可能な社会を実現・発展させていく目的のもと、発電時のCO2発生が少ない地熱発電や、燃焼時のNOxを抑え、SOx・PMの発生がないクリーン燃料であるDME(ジメチルエーテル)の製造・燃料実用化等に取り組んできた。同共同出資事業への参画により、使用済みプラスチックの再資源化を推進し、バリューチェーンの一員として持続可能な社会の実現に向けて貢献していく。
同社が参画するアールプラスジャパンでは、米国のバイオ化学ベンチャー企業であるアネロテック社とともに、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を進めていく。世界で共通となっているプラスチック課題解決に貢献すべく、回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料・食品メーカーなど業界を超えた連携により、2027年の実用化を目指す。
ペットボトル以外のプラスチックは、現在国内では多くが燃焼されていると言われている。今回の技術は、ペットボトルを含むその他一般のプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクルの技術となる。
従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理できるため、CO2排出量やエネルギー必要量の抑制につながるものと期待されている。同社は、この技術が確立できれば、より多くの使用済みプラスチックを効率的に再生利用することができるとしている。