デンカは12月2日、xEV向けの新たな放熱材料として異種金属接合が可能な窒化ホウ素樹脂複合基板(以下、BN樹脂複合基板)を開発したと発表した。同日より開催の「高機能素材Week」にて紹介している。
BN樹脂複合基板は、主にxEV等へ搭載されるモーター駆動インバーター制御用パワーモジュール等に対応できるベース基板で、高機能性セラミックスの1つである窒化ホウ素(BN)の優れた熱伝導性、電気絶縁性などの特長を活かしながら、接着性樹脂を複合させることで従来の放熱基板では困難だった厚銅を含む異種金属の基板表裏への接合を実現した。これにより、様々な材料で構成されるパワーモジュールの小型化・軽量化や熱伝導性の向上などにつながることが期待される。また、ユーザーの要求特性に応じて樹脂とBNの比率を変更し熱伝導率を調整できることから、多様な設計が可能になる。
同社は経営計画「Denka Value―Up」における成長戦略「事業ポートフォリオの変革/スペシャリティー事業の成長加速化」の一環として、5G・xEVを中心とした環境・エネルギー分野に注力している。今後も新機能性セラミックスやLCPフィルム、低誘電絶縁材料等の新素材開発を進めていくとしている。