九州唯一のタイヤマテリアルリサイクル企業であるアサヒ再生ゴム㈱(佐賀県三養基郡みやき町、廣田知文社長)の19年12月期は、輸入再生ゴムの台頭が著しい中、五輪関連需要やコンパウンド事業の躍進もあり、前期以上の売上を達成することができた。一方、20年12月期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2月後半より徐々に受注量が減少し、9月以降回復の兆しがあるものの、売り上げは前年を大きく下回る見込みである。
製品別で見ていくと、タイヤ再生ゴムは、売上が前年比マイナスとなったが、2015年より拡売してきた高強力再生ゴムは、優れた物性が評価され、品質を重視するタイヤメーカー等に採用が広がり、順調に販売を伸ばしている。
タイヤのインナーライナー、防水ルーフィング、自動車等の制振材、シール材などに幅広く使用されているブチル再生ゴムついては、建材メーカーを中心に東京五輪関連の需要が高まったことで、売上は増加した。
また、ゴムマット、粉末ゴム成型品、その他工業用ゴム製品などの配合品として幅広く使用されている粉末ゴムでは、タイヤメーカーおよびゴム加工メーカーからの需要が堅調に推移している。樹脂加工メーカーには、樹脂改質剤用としての需要が増加するなど、新規