住友理工の薄膜高断熱材 宅配用温熱シートパッドに採用

2020年12月10日

ゴムタイムス社

 住友理工は12月8日、同社開発の薄膜高断熱材「ファインシュライト」が、エステーとオルセンが共同開発したフードデリバリー(出前・宅配)専用温熱シート「HEAToGo」の専用パッドに採用されたと発表した。

 HEAToGo(温熱シート)および専用パッドは、日用品メーカー大手のエステーと宅配用保温バッグ大手のオルセンが共同で開発したもので、「HEAToGo」2枚を専用パッドに装着し、配達用バッグや配達用ボックスに入れることで、その上に置かれた食品をより温かい状態でデリバリーサービス利用者に届けることができる。2社がそれぞれ、フードデリバリーサービス業者に向けて10月から本格的な販売を開始している。

 今回、この専用パッドに、同社開発のファインシュライトが採用された。高断熱フィラー(微細に粉砕したシリカエアロゲル)を塗料化した塗布型の薄膜高断熱材で、コーティングした不織布の上にアルミ蒸着フィルムを張り付けたシートタイプとなっている。専用パッド内に内蔵させることで、HEAToGoや食品からの熱線を反射し、ボックス内に戻す「遮熱」と、熱がボックスに伝わって逃げていくのを妨げる「断熱」による効果を発揮し、食品を手軽に、より長く保温できる。

 ここ数年、安定的な成長を続けてきたフードデリバリーサービスは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、今年に入りニーズが急増している。同業界では、配達人員の慢性的な不足の解消と効率的な配達、利用者の満足度向上が課題となっており、これらの解決策の一つとして、ファインシュライトが寄与している。

 ファインシュライトは狭い隙間や空間でも設置でき、軽量であることから、今後、レジャー用のクーラーボックス、輸送ボックス、宅配用置き配ボックスなど、保温や保冷を要するアイテムへの展開が可能となっている。同社グループは引き続き、共同で製品開発できるパートナーの探索を進めながら、熱マネジメント分野での技術・製品開発を通じて、人々の暮らしにおける快適性の向上、エネルギー効率の向上に貢献していくとしている。

 

HEAToGo専用パッド (左)とファインシュライト

HEAToGo専用パッド (左)とファインシュライト

ファインシュライト

ファインシュライト

ファインシュライトのロゴ

ファインシュライトのロゴ

 

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