三菱ケミカルは12月9日、プラントの建設を前提にルイジアナ州ガイスマーの土地を取得したと発表した。同社は米国において、同社グループの独自技術「新エチレン法(アルファ法)」 によるMMAモノマーのプラント建設プロジェクトを進めている。同プロジェクトは、2022年半ばを目途に投資の最終判断を行い、2025年中に35万tのMMAモノマー生産設備の稼働を目標としている。
同社は、2010年代前半より米国のシェールガス由来のエチレンを原料とした「新エチレン法(アルファ法)」によるMMAモノマーのプラント建設に向け、候補地を検討してきた。今回取得する土地は、エチレンをはじめとした原料調達のアクセスや近接するミシシッピ川を活用した物流面の優位性等により、競争力の高いMMAモノマー事業の実現が可能となる立地となっている。
新エチレン法(アルファ法)は、2008年に同社グループのルーサイト社が開発した独自技術であり、同製法のプラントは、シンガポールとサウジアラビアに続き3番目の拠点として米国に建設する。このプラントの生産能力は35万tを予定しており、MMAモノマーの1拠点の生産能力としては、これまで最大規模であった同社・SABIC間合弁会社のサウジアラビアプラント25万tを超え、世界最大となる。
MMAモノマーをグローバルに展開する同社は、同プロジェクトを単独出資として進めており、独自技術や立地優位性をベースとした競争力の高いプラントを新設することで、米国をはじめとした世界全域への最適な供給体制を構築し、リーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにしていくとしている。