東レは12月10日、電子部品用途における使用済みポリエステル（ＰＥＴ）フィルムを回収し再利用するリサイクルシステムを構築し、サステナブルな社会の実現に貢献する環境配慮型ＰＥＴフィルム「エコユース」シリーズを開発したと発表した。同社は年産２５００ｔ規模の生産体制を整え、本格販売を開始する。
エコユースは、同社が２０１５年からグローバル展開しているリサイクル素材および製品の統合ブランド。
同社はサプライチェーン各社と協力して、電子部品用途における使用済みＰＥＴフィルムを回収し再利用するリサイクルシステムを構築し運用を開始、その結果、フィルム表面の塗材、樹脂を除去するメカニカルリサイクル処理技術と、各製造工程における異物除去を組み合わせることで機械特性、信頼性を損ねることなくフィルムに再利用することを可能にした。今回開発した環境配慮型ＰＥＴフィルム「エコユース」シリーズでは、化石由来原料及び廃プラスチックの削減に加え、ＣＯ２排出量を同社従来品比30％～最大50％削減することが可能となる。
同社は従来、フィルム分野では製造工程で発生した端材を原料としてフィルムに再利用する取り組みを行ってきたが、今回、顧客から回収し再利用処理した原料を用いた環境配慮型ＰＥＴフィルム「エコユース」シリーズを開発したことで、リサイクルフィルムの展開を加速する。今後、更なるリサイクルシステムと生産体制の構築を進め、電子部品用途だけでなく、各用途でリサイクルフィルムの拡大を目指していく。また、ＰＥＴ以外のフィルムやフィルム加工品においてもエコユースの展開を拡充するとしている。
環境配慮型ＰＥＴフィルム「エコユース」シリーズ
