三菱ケミカルは12月10日、同社グループ会社である三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(以下「MCAS」)のミャンマーにおける膜ろ過浄水装置を利用した分散型給水システムの実証事業が、国際連合工業開発機関(以下「UNIDO」)が実施する「開発途上国の感染症予防に向けたSTePP技術の実証・移転による海外日本企業支援事業」に採択されたことを発表した。
UNIDOでは、開発途上国の新型コロナウイルス感染症をはじめとした様々な感染症対策に役立つ技術を保有する日本企業が、健康・衛生環境の向上を目的とした技術の普及に取り組むことを支援している。
新型コロナウイルス等の感染症予防と保健・衛生環境の向上には、安全で清潔な水の安定供給が不可欠だが、ミャンマーでは必要な水インフラが十分に整っていない。MCASはこうした課題の解決に向けて、ミャンマーの都市部において、特に感染症予防の観点から重要度の高い病院に膜ろ過浄水装置を導入し、現地パートナー(同社のグループ会社であるMW Aqua Solutionsおよび伊藤忠商事ヤンゴン事務所)とも連携しながら、分散型給水システムの実証を行っていく。
今回、ミャンマーに導入する膜ろ過浄水装置は、水源(井戸水、市水、河川水)を問わず浄水処理ができ、適切な技術を組み合わせることで世界保健機関の飲料水質基準を満たす水を供給することができる。当該装置はユニット化されているため施工期間が短く設置が容易で、無人運転が可能なことから現地での運用に適している。さらに、装置に遠隔監視システムを搭載することで、日本からも装置稼働状況や水質等の各種データ、異常値をリアルタイムに把握することができ、トラブル発生時などのメンテナンス対応を両国で迅速に行えるよう運用体制を整えていく。
MCASは今後も、UNIDOをはじめとする国際機関等と協力し、安全で清潔な水を安定して供給できるソリューションをグローバルに提供していくとしている。