デンカは12月18日、同社の主要グループ会社であるデンカリノテックが同日付で熊本県高森町、KYOTO’S 3D STUDIO、Wee―vaの4者間で3D計測・診断技術導入による新サービスの開発・提供を目的とした業務提携協定を締結したと発表した。
4者は今後最先端の3D技術を基軸に、高森町の歴史的文化財を含む建築構造物や鉄道車両等の保全・保護のほか、町の伝統行事のアーカイブや観光事業の振興等において業務の効率化につながる新たなサービスの創出を目指す。
デンカリノテックは、コンクリート構造物の調査・診断を通じて最適な補修・補強を手掛けており、基盤となる構造物診断技術を活かし、360度3Dデジタル計測を通じて文化財等を含む建築構造物から取得した3次元空間の点群データを基に線画化することで、精度の高い設計・施工から維持管理までの応用展開に取り組んでいる。同技術は、図面や設計図がない構造物にも適用できることから、昨年9月には文化財保全の一環として世界文化遺産である京都醍醐寺において3D計測を実施した。
デンカグループは経営計画「Denka Value―Up」において高付加価値インフラ事業をヘルスケア、環境・エネルギーとともに重点分野と位置付けている。同社は、デンカリノテックの3D計測・調査診断技術と同社の保有する特殊混和材などの無機材料を組み合わせながら、高付加価値インフラにおける事業拡大につなげていくとしている。