住友ゴム工業㈱は12月1日、バイオ素材技術を応用することで、残る3%を天然資源化することに成功し、「100%石油外天然資源タイヤ」のプロトタイプタイヤが完成したと発表した。
同社では石油や石炭などの化石資源への依存度を最小限にすることを目指した「石油外天然資 源タイヤ」の開発に2001年から取り組んでおり、2005年には石油外天然資源の使用比率を70%に高めた「エナセーブ ES801」を、2007年には同割合を97%にまで高めた「エナセーブ 97」を発表した。更に「100%石油外天然資源タイヤ」の完成を目指して、残り3%の原材料を天然資源化する研究を進めてきた結果、今回主要な3つ のバイオ素材である「老化防止剤」、「加硫促進剤」、「カーボンブラック」を作る技術を確立した。
「老化防止剤」と「加硫促進剤」については、天然資源からは得られなかった薬剤の原料化合物を植物由来のバイオマス資源から特殊触媒により合成する技術を 確立し、その原料化合物を用いて、従来の石油由来の薬剤と同等の耐オゾン劣化防止性能、加硫促進性能を有する植物由来の「老化防止剤」と「加硫促進剤」を 合成することに成功した。
また「カーボンブラック」については、従来は石油や石炭からの製造に頼っていたが、植物由来のバイオマス資源(油成分) を効率的に燃焼する技術により、石油や石炭由来のものと同等の耐紫外線劣化性能を有する植物由来の「カーボンブラック」の製造に成功したもの。
今後は耐久性などの信頼性の評価と量産化技術の確立を目指し、2013年の発売に向けて開発を進めていくとしている。
2011年12月02日