■ 新年インタビュー
ゴム産業の底上げにつながる活動を
日本ゴム協会 竹中幹人会長
「コロナ禍においても会員にとって魅力あるサービスを提供していくことが大切」と語る日本ゴム協会の竹中幹人会長(京都大学教授)に、20年の協会活動や21年の抱負などについて尋ねた。
◆20年の活動を振り返って。
新型コロナ感染拡大の影響を考慮し、日本ゴム協会の3大行事である年次大会、夏期講座、エラストマー討論会はいずれもリアルで開催できなかった。例年5月に開催している年次大会も口頭発表とポスター発表などを中止し、定時社員総会のみをウエブで開催するなど、会員に対して従来のサービスが提供できず苦労した。そうした現状を打開すべく、いち早くウエブによるオンライン開催を実施していたACS(アメリカ化学会)のラバーディビジョンにご協力をいただく形で、まず加藤事務所の加藤進一社長を講師とする講演会をオンラインで行った。その後は、研究分科会や各支部の講演会といった活動も徐々にオンライン開催ができるようになった。
また、昨年11月26日、27日と2日間にわたって開催した「第31回エラストマー討論会」についても初のオンライン開催であったにも関わらず、231名と多くの方々に参加いただいた。討論会では当協会とMOU(基本合意書)を締結するドイツ、米国、タイ、韓国、中国の高分子学会並びにゴム学会の方々による講演も行った。英語セッションは多くの聴講者があり盛況を博した。制限があるなかで当協会にとっては新たな可能性が広がった討論会になったと思う。
◆今後実現したい活動を教えてください。
本来であれば、昨年は中小企業を含めた会員サービス充実を促す活動を行う計画でいたが、コロナ禍で停滞しているのが実情だ。会員サービスの充実は今年5月の年次大会で構想を示したいと考えている。例えば、中小企業の会員サービス充実でいえば、ゴム協会内に中小企業会員向けの相談窓口を開設できないか検討している。
後継者問題や技術者不足などがあり、技術継承に悩まれる中小企業の会員は多いように思う。相談窓口ではゴムの知識を持ったベテランが中小企業会員の課題や問題の相談に乗りながら、中小企業とのコミュニケーションが盛り上がるような仕組みが作れたらいい。
◆今年の活動方針は。
3大行事は現地で会員皆さまの顔を見ながら開催したい。