■ 新年インタビュー
持続的成長で新中計目標達成へ
ニチリン 前田龍一社長
今期(21年12月期)より5ヵ年の新中期経営計画をスタートさせたニチリン。「新中計は新たな事業や新たな製品を創造したい」と語る前田龍一社長に20年を振り返ってもらうとともに新中計の骨子などを聞いた。
◆20年を振り返って。
新型コロナの感染拡大が各拠点に影響を及ぼし、あまりいい年ではなかった。まず、中国では上海日輪(SNA)から蘇州日輪(SZN)へ生産移管を進めている最中に、新型コロナが発生したため、スムーズな生産移管が行えず、20年上期はかなり混乱した。ただ、日本からのWEB支援や、日本人駐在員と現地社員が対応にあたってくれたおかげで、下半期からは生産量も増えている。
◆他の拠点の現況は。
20年6月末に生産停止する予定でいた英国工場は、コロナ影響で20年8月末にずれた。英国工場で生産していた分は、日本とベトナムから製品を輸出している。また、現地商権はスペインの拠点が担っており、スペインの拠点は狙い通り下半期から黒字化しつつある。
アセアンは、インドは昨年10月ごろから復調し、当社が強みとする二輪車向けホースを中心に生産は忙しくなっている。
米国も昨年7月以降盛り返している。ただ、コロナで通関業務が混乱を生じている。輸送費も上昇し、生産管理が難しくなっている。
◆国内の状況について。
20年初は順調に推移していたが、コロナ感染が拡大した4月以降は国内外でモノの動きが停滞した。ただ、7月以降は海外輸出も含めて国内売上は戻りつつある。
◆20年度で最終年を迎えた中計の総括を。
採点すると85点~90点。当初設定した売上・営業利益目標に対し19年までは満足していたが、コロナで売上・利益は目標を下回った。ただ、18年にスペインの連結子会社を買収した欧州、米国において構造変革を実行し、コロナ禍でも黒字化しつつある。
製品では自動車業界の環境変化に合わせ、カーエアコン用のIHX(内部熱交換器)などの新製品をいくつか開発できた。
全文:約1580文字