■ 新年インタビュー
社員一人ひとりの人材育成をめざす
日東化工 坂下尚彦社長
ゴム・樹脂のコンパウンド事業とゴム加工事業を展開する日東化工。20年4月に社長に就任した坂下尚彦社長に、20年を振り返りながら業績や事業・経営課題などを聞いた。
◆20年を振り返って。
一言でいうと、新型コロナの影響に振り回された一年だった。上半期を振り返ると、20年7月以降、自動車産業が徐々に回復するとともに業績も回復軌道に乗ってきた。事業別では、コンパウンド事業は5~6月に需要の落ち込みが大きく、7月から回復速度が比較的早い。一方、ゴム加工事業は落ち込みの程度はコンパウンド事業と比べ激しくないものの、緩やかな回復になっている。
◆足元や通期の見通しは。
直近では、対前年を上回る製品がある一方、回復が遅い製品もあり、回復はまだら模様だ。ただ、下半期に入り回復の速度が高まっていることを実感している。上半期の売上高は26億7000万円で前年同期比31・9%減だったが、下半期は対前年で約10%減まで縮まるだろう。利益面では期末までには黒字を確保できる見込みだ。
◆事業や経営課題は。
当社は自動車産業に大きく影響を受ける事業構造になっているため、今後は非自動車分野に深堀をしていくことも重要だ。
現状では、主力製品のひとつである精練は消費期限があり、コロナ禍ではお客様の需要に確実に依存してしまう側面がある。一方、ゴム板やゴム加工などの成形品は当社から生産計画を立て最終製品を提供できる。この部分を拡充していく。
また、経営の課題では人材育成とコスト削減の2つを挙げる。人材育成は自発的に実行できるように人材教育をしていく。また製造業では、コスト削減が常に重要な課題。足元では、天然ゴム市況が上がっている。配合の際にコストダウンができるかどうか、お客様とやり取りしながら行っていくことでコスト削減をしていく。
我々の強みは配合設計から始まり、末端製品まで作り市場に供給できること。つまり、一気通貫ができることが強み。今期から組織改正を行い、事業セグメントをゴム事業・樹脂事業からコンパウンド事業とゴム加工事業に変更し、
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