【新年インタビュー】住友理工 清水和志社長

2021年01月10日

ゴムタイムス社

 

清水和志社長

清水和志社長

■ 新年インタビュー

環境車向け製品の開発を推進 変化に柔軟に対応できる組織目指す

住友理工 清水和志社長


 ベトナムで自動車用ホースの新工場設立を進めるなど生産拠点の再構築を推進させている住友理工。清水和志社長に20年を振り返ると共に、今後の事業戦略などを聞いた。

 ◆20年を振り返って。
 
 上期は自動車生産台数が減少したことなどが響き、減収赤字となった。下期においても、当初は厳しい見方をしていたが、自動車生産台数が順調に回復している事もあり、想定よりも見通しは明るいと感じている。特に、産業用ホースは中国で引き合いが強く、対前年でも増収増益を維持している。上期全体の業績は振るわなかったが、社内の雰囲気はそれほど悪くないと感じている。
 6月に社長に就任して以来、社内コミュニケーションの活性化に注力している。就任後すぐに「社長ブログ」を開設し、社内外にメッセージを伝える場を設けた。さらに、昨年12月には、従業員がより簡易に情報を受け取れるようにするスマホ用情報通知サービスである「RIKO2(リコツー)」の導入を開始した。これにより、会社の様々な情報を自分のスマホで見る事が可能となり、より情報の共有が進むと考えている。
 また、積極的に懇親の場を設け、直接従業員と対話する機会も増やしている。2018年に入社してから2年間で160人程の従業員と直接話をすることができた。今後もコロナ対策を万全にしたうえで継続し、従業員が話をしやすい環境を整備していく。
 
 ◆生産拠点の再構築について。
 
 7月末にフランスで鉄道車両用防振ゴムを製造・販売する連結子会社など2社を現地企業に譲渡することを発表したのに続き、8月の初めにはアルゼンチンで自動車用ホースを製造・販売する連結子会社の解散・清算を発表、タイでは2工場を1工場に集約した。その一方で、インドに引き続き、ベトナムに自動車用ホースの新工場を開設する。地域で重複する部分は解消し、注力する地域には現地需要に応える体制を構築していく。
 ベトナムの新工場からは日本や北米向けに、水系や燃料系などのゴムホースを輸出していく予定だ。

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