■ 新年インタビュー
サステナビリティを経営の中核に
ブリヂストン 石橋秀一グローバルCEO
強いブリヂストンに進化へ 筋肉質で環境変化に適応していく
「最高の品質で社会に貢献」をミッションに掲げ、独自のビジネスモデル構築を目指すブリヂストン。年末記者会見で石橋秀一グローバルCEOらが、2021年の事業展望やサスビナリティビジネス構想について語った。
◆20年を振り返って
2020年は1931年の創業、1988年のファイアストン買収を契機とした第二の創業に続く、第三の創業と位置付けた重要な年でした。新型コロナがグローバル経済にも大きな影響を与え、当社グループにとっても、過去に類を見ない厳しい1年となった。
この中、グローバル各地で様々な社会貢献、地域貢献の取組みを進めてきた。 国内では簡易マスク生産、地域自治体への寄付、米州では、フェイスシールドの病院などへの寄付、スペインでは緊急車両への24時間無料のタイヤメンテナンスサービスの提供など各現場で従業員が自発的に取り組んでくれた事に誇りを持っています。
2020年はブリヂストンが厳しい環境でこそ、力を発揮できる会社であること、現場の強さ、使命が従業員一人一人のDNAに刻まれている事を、改めて確認できた1年だった。
◆中長期事業戦略について。
サステナビリティを経営の中核に添え、タイヤ・ゴム事業の強みを活かしたソリューションカンパニーとして、社会価値、顧客価値の両立、競争優位の獲得を図る成長戦略を推進している。
コアであるタイヤ・ゴム事業をさらに強化し、強みを活かして、成長戦略であるソリューション事業を拡大、各事業の価値が増幅スパイラルアップし続ける事が、当社が描く成長戦略となる。戦略実行のために、グローバルで中期ビジネスシナリオを設定し、危機管理を行い、主にコア事業での稼ぐ力の再構築、ソリューション事業拡大のための戦略的成長投資で、戦略フォーカスを明確にし、グローバルで取組みを加速していく。
2023年には、強いブリヂストン、筋肉質で環境変化に対応できる会社に進化するべく歩みを進めていく。
◆サステナビリティビジネス構想について。
2050年にサステナブルなソリューションカンパニーとして、社会価値、顧客価値を持続的に提供する会社であり続けるため、サステナビリティを中核に添えたビジネスモデルの構築の検討をスタートさせた。
既に、タイヤを作って売るタイヤ・ゴム事業から、顧客が使う段階でも価値を提供するソリューション事業で、資源生産性の向上やCO2の削減に貢献してきた。
今後は、ソリューション事業でのビジネスモデルの構築、そして、「戻す」というリサイクルでの事業化を推進していく。
当社の事業全体で資源循環、CO2削減、カーボンニュートラルを実現することで資源循環の輪を完結し、事業としても、各事業が循環していく事を目指していく。
既にM&Aも視野に、R&D領域などで探索を開始しており、共創とイノベーションで構想を実現し、サステナブルな社会に貢献していく。
◆21年の事業展望は。
中長期事業戦略の本格的な実行の年になる。サステナビリティを経営の中核に添え、2030年の先を見据え、グローバルビジネスシナリオをアップデート、コア事業の強みを活かしながら、ソリューション事業を推進、新しい独自のビジネスモデルを構築していく。サステナビリティビジネス構想についても、その実現に向け加速していき、サステナブルなソリューションカンパニーとして、社会価値、顧客価値を持続的に提供できるように歩みを進めていく。
今年3月には1931年の創業から90周年を迎える。100周年に向けての重要なマイルストーンである2021年は第三の創業2年目として、結果を出していく年でもある。
2月には、2021年から2023年までの中期事業計画、さらにその先の2030年に向けた方向性を発表する予定だ。
◆20年の業績に点数をつけるとしたら。
今年は大変厳しい1年で、残念ながら
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