■ 新年インタビュー
目標に向けてホップする年に
西川ゴム工業 福岡美朝社長
西川ゴムグループの中計「2020年ビジョン」が最終年度を迎えている西川ゴム工業。福岡美朝社長にコロナ禍での20年を振り返ってもらうとともに、海外拠点の現況や21年度に始動する新中計の抱負を聞いた。
◆20年を振り返って。
新型コロナが発生し、景気が悪化する中、当社の主要顧客である自動車メーカーの生産台数は大きく落ち込んだ。特に20年度第1四半期が顕著だった。当社も本社工場の一部が週数日の休業を余儀なくされたが、第2四半期に入り自動車生産が戻りつつあり、11月は数%ダウンのレベルまで回復した。下期業績は前年並みの水準に戻る見通しだ。業績は当初予想を上回るペースで改善しており、11月の中間決算発表時に通期業績を上方修正した。
◆新工場の計画中止の理由を。
今年1月に着工し、来年9月に稼働を開始する予定でいた新工場(広島県三原市)の計画中止を昨年11月に決定した。計画を発表した18年は900万台以上の国内自動車生産台数があった。ただ、コロナに加え、依然続く少子化や若者の車離れも考えると、生産台数の早期回復はこの数年間では期待できず、投資回収も難しい状況だ。広島県をはじめ関係各所にご迷惑をおかけしたが、一旦計画を白紙に戻す決断をさせていただいた。
◆海外拠点の現況は。
中国は自動車生産が想定以上に早く回復し、中国拠点の業績が好調に推移している。北米も需要は戻っており11月の売上は当初計画通りに回復してきた。一方、タイ・インドネシアに展開するアセアンは前年を下回り、厳しい状況が続く。ただ、今年はインドネシアの挽回に期待したい。
◆2020年ビジョンの達成度合いは。
2020年ビジョンでは基本戦略として、事業面ではグローバル事業の拡大・充実、シール&フォームエンジニアリングの深耕、制度面ではコスト体質の改善などに取り組んできた。
まず、グローバル展開では、コロナで売上が伸び