横浜ゴムは12月25日、タイ天然ゴム公社(RAOT)スラタニ支局と共同で、タイの天然ゴム農家に対し、天然ゴムの品質および生産性向上に向けたセミナーイベントを12月に開催したと発表した。当日はスラタニ地区の農家50名が参加、タイ天然ゴム公社の知見を活かした肥料を1農家あたり500kg無償提供し、参加者の好評を得た。
同社は1月、同社の「持続可能な天然ゴムの調達方針」に基づき、タイ天然ゴム公社と天然ゴム農家の経営支援およびサプライチェーンの透明性と健全性を確保するためのトレーサビリティの向上に協力していく覚書を締結した。今回のセミナーイベントは同覚書に基づき、農家支援の一環として開催している。また、先んじて2019年6月より天然ゴム農家の持つ課題を分析するため、同社の天然ゴム加工会社のワイ・ティー・ラバーが立地するスラタニ地区で同覚書に基づいた訪問調査を開始している。今回のイベントで肥料を提供した農家へは今後、天然ゴム物性や生産性についての追跡調査に協力してもらう予定となっている。
同社グループは、持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム(GPSNR)に創設メンバーとして参画するとともに、独自に策定した「持続可能な天然ゴムの調達方針」に沿って、サプライチェーンをはじめとしたステークホルダーと連携した取り組みを積極的に推進してきた。また、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に取り組んでおり、その一環として天然ゴムをはじめとしたサステナブルな原料調達に向けた活動を推進し、天然ゴムサプライヤーを対象とした交流会なども実施している。天然ゴムの自社加工工場のあるタイでは、現地の大学と天然ゴムの品質や生産性の向上に寄与する共同研究を進めているほか、天然ゴム農家の安定収入を支援する「アグロフォレストリー」の普及推進なども行っている。