ランクセスは12月25日、新製品「アディプレンPP1095H」を、機械的な負荷が大きく高速で動作する高性能ホイールおよびローラー用途向けに提供開始すると発表した。
アディプレンPP1095Hは、pPDI( p―フェニレンジイソシアネート)末端基を持つポリエステルベースのプレポリマーで、硬化剤「バイブラキュアA250」を使用することで95ショアA硬度を有するエラストマーが生成される。このエラストマーは幅広い温度条件で優れた動的特性を維持する。これは、同等の性能を持つ標準的な産業用素材と比べて損失係数タンジェントデルタ(片振荷重下でエネルギーの熱への変換を表す指標)が小さいためで、この優れたヒステリシス特性によって転がり抵抗も低減されるため、例えばフォークリフトの運転時のエネルギー節約などにもつながる。こうした特徴により、このエラストマーのホイールやローラーは従来より高速運転および高い積載能力を実現することができ、車両、輸送システム、エレベーターでも、さらに高速で効率的な運転が可能となる。
同社は特殊熱硬化性エラストマープレポリマーシステムとその関連製品である硬化剤の開発を進め、ホイールトレッド(車輪の接地部分)やローラー用途向けの、極めて高い耐荷重性を持つエラストマーへの世界的な需要拡大に応えている。これらの製品は、例えばフォークリフトのホイール、高層ビルや産業用エレベーターのガイドローラー、農業機械や高性能ジェットコースターのローラーに使用されている。同社はこれらの部品の特性をさらに高めるため、同社の特殊プレポリマーを用いた幅広い技術サポートを提供している。
同社ウレタンシステムビジネスユニットのアプリケーション開発責任者であるイアン・ラスコヴィッツ氏は、「このような用途の標準的な産業用素材と比較すると、アディプレンPP1095Hを使ったエラストマーは動的特性、及び耐疲労性に非常に優れている。独自の数理モデルを使用することで、エラストマーの特長を顧客の設計仕様に沿って最大限に活かしたり、ホイールトレッドやローラーの性能を厳密に予測したりすることも可能」と述べている。