■ 新年インタビュー
提案型商社として成長目指す
加藤産商 加藤達男社長
老舗の化学品専門商社として国内外で積極的な事業展開を行う加藤産商。コロナ禍でさまざまな変化に直面した昨年を振り返ってもらうとともに、海外拠点の状況や新年の抱負などについて加藤達男社長に聞いた。
◆昨年を振り返って
前期(20年9月期)はグループ全体の売上は減収減益となった。上半期(10月~3月)は前年を若干下回る程度で推移したが、下半期(4~9月)は特に輸出が落ち込んだ。中国以外の地域では全般的に通貨安の影響もあり現地法人の売上は低調に推移した。国内もコロナの影響で自動車部品関連が大きく落ち込んだ。
今期の足元(10月)は、前年のレベルまでの回復には至っていないが、輸出は急速に戻っている。特に中国は原材料の動きがかなり良く好調だ。ただ、船便の停滞により思うように出荷ができないのが悩み。特に東南アジアへの船便がタイトな状態にある。原材料・製品とも需要は復調しているものの、輸送コストの上昇に苦慮している。
◆海外拠点の現況は。
アセアン地域で、当社にとって中核拠点のタイは前年のレベルまでには回復していない。一方、マレーシアはゴム練り部門のSAIKO RUBBERと商社部門を展開している。ロックダウンで需要は一時停滞していたが、10月以降は堅調な動きを示し、需要も回復してきた。2014年に進出したベトナムも堅調に推移している。
インドネシアでは、設立10年を迎える現地法人が輸出を主要とする保税会社向けの販売体制を整備し、11月に同国の保税ライセンスを取得した。保税ライセンス取得をきっかけに、現地でさらに拡販を図りたい。
北米は、米国の需要が戻ら