明けましておめでとうございます。本年が皆さんや皆さんのご家族にとって実りの多い年になるよう祈念しています。
昨年は、新型コロナウイルスの蔓延が世界経済に大きな影をもたらしました。ワクチンも開発されたとはいえ、終息時期は見通せない状況です。当社も、国内外の出張や移動の自粛、会食や会議は制限したままで、在宅勤務も続き、ストレスが蓄積しているかと思います。一方で、WEB会議は定着し、DX(デジタル・トランス・フォーメーション)がより求められることになってきました。
物事の変化にはデメリットを感じる反面、メリットを見出すことも大切です。
今年の経営課題は第一に2020年度業績予想の達成です。中期経営計画の基本方針をさらに進め、外部環境の変化に耐え得る強い企業体質を目指しましょう。
第二に安全対策です。安全安定運転は、当社にとって永遠の課題です。現場を預かるプロとして、技術力の向上や安全文化の醸成を引き続き目指してください。異常現象や労働災害の未然防止に努めることは、安定稼働だけでなく、現場の負担軽減にもつながります。また、IoT・AIをはじめデジタル技術の導入も、トラブルを未然に防ぐために積極的に推進していきます。
第三に成長戦略です。コモディティ事業は、基盤強化による競争力を一層高めると共に、能力増強の機会を探ります。スペシャリティ事業は、機能性・差別化を強化しつつ、需要増に対応できるよう積極的に能力増強を実施します。新しくなった南陽・四日市の両研究所においては、新規事業を1つでも多く立ち上げていくことを期待します。
第四にコンプライアンスです。法令順守は、企業や個人にとって最低限守るべきルールです。今の業務が法令に適合しているか、原点に帰ってもう一度、再点検を実施してください。
第五に現場力の強化です。製造・研究・販売・管理のそれぞれの職場の実力の結集が会社の真価です。各職場で整理した今後の目指すべき方向や課題の解決のため、各人がプロ意識を持ち、研鑽していくことに加え、自由闊達な意見交換を通して、一人一人が主体的に業務を行い、自負できる明るい職場になることを期待しています。
最後に持続可能な開発目標(SDGs)への対応です。対外的な情報開示にも積極的に取り組み、CDP(気候変動)の総合評価は改善したほか、TCFD(気候関連財務情報タスクフォース)にも賛同表明しています。CO2排出課題は、「CSR委員会」や「CO2削減・有効利用推進委員会」で具体的な目標や指標を揚げて対応していますが、一朝一夕で解決できる課題ではありません。化学会社として「化学の革新」を通して、多角的にCO2の削減・有効利用に取り組みたいと考えています。
何事にも慢心せず、使命を着実にこなし、より信頼してもらえる会社を目指していきましょう。