新年明けましておめでとうございます。
2021年は新型コロナウイルス感染症が早期収束し、自然災害のない、皆様、当社グループにとって幸多い年となることを願っています。
今年の「干支」は「辛丑(かのとうし)」であり、「辛」は痛みを伴い植物が枯れ、新しい世代が生まれる前の状態、「丑」は芽が種子の中に生じ、殻を破ろうとしている状態を表しています。つまり、痛みを伴う衰退の後に新たな生命がきざし、変化が生まれようとする状態であり、新しいことにチャレンジすることに適した年と言えます。
昨年の振り返りと今年度からスタートした新中期経営計画「FORWARD22」の進捗状況や2021年の方針について説明します。
◆2020年の振り返り
昨年、新型コロナウイルス感染症は、1月中旬には日本においても感染者が確認され、当社では、2月に感染症拡大防止に向けたHitz対応方針を通知し、その後も状況に応じて13回の改訂を行ってきました。感染症が収束しない中で、対応方針に沿って業務遂行いただいたことに感謝申しあげます。
2020年は業績低迷していたHitachi Zosen Inova社にとって、一昨年からの復活への歩みをより確かな、また力強いものとした年となりました。1月に当社グループにとって初めてのBOO事業としてオーストラリアのRockinghamを受注したのを始め、その後も英国やロシア向けなど6件を受注しました。また、ドバイの案件も年度内での受注が有望となっています。
「FORWARD22」で掲げる「クリーンなエネルギー・水の供給」「環境保全、災害に強く豊かな街づくり」においては、小田原市環境事業センター(清掃工場)から排出されるCO2を利用したメタネーション実証、東京都国立市や静岡県御殿場市への電力供給、日本水産グループとの共同事業であるマサバの陸上養殖施設の稼働、深紫外線LEDを用いた空気殺菌機開発、岩手県向け日本初の海底設置型フラップゲート式水門の完工など、様々な成果や進捗がありました。
◆中期経営計画「FORWARD22」の進捗
「FORWARD22」で具体的施策として挙げている「先端技術の活用で、製品・サービスの付加価値向上」では、デジタル化推進拠点であるHitz先端情報技術センター(A・I/TEC)の活用による、より高い付加価値を提供する新たなサービスモデルの構築に取り組んでいます。また、基幹業務システムSAPを活用したすべての業務プロセスのデジタル化や、RPAとデータ活用技術を組み合わせたデジタル経営の革新、業務の効率化・生産性の向上を推進しています。
「Hitz目標管理制度とポートフォリオ・マネジメント」においては、良質受注の拡大など収益力強化を実現するための目標管理制度を制定した他、グループ統括機能を強化する取り組みやものづくり事業のあり方の検討などを着実に進めています。
◆2021年の方針
2021年は、創業140周年を迎える年です。創業者であるE・H・ハンターの「時流を見極める視点」、「異文化への敬意」、「仲間・パートナーとの協働」、そして「挑戦の精神」を当社グループのDNAとして、新たな価値創造、新たな飛躍を目指します。
また、2021年は脱炭素化とデジタル化をキーワードとし、製品サービスの付加価値向上、事業の選択や働き方改革を推進していきます。2021年を「FORWARD22」の目標達成、そして「Hitz 2030 Vision」の実現につながる成果を挙げる年にしたいと思います。