年頭所感 東日本プラスチック製品工業協会 大野泰昭会長

2021年01月08日

ゴムタイムス社

 新年あけましておめでとうございます。皆様には謹んで新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中は会員の皆様はじめ関係官庁業界団体さらに多くの皆様には、格別なるご支援を賜り誠にありがとうございました。本年も宜しくお願い申し上げます。
 関東経済産業局様には、産業部担当次長久世尚史様はじめ職員の皆様に常日頃から、あたたかいご支援をいただき心よりお礼申し上げます。
 当工業協会の重点事業である能力開発・技術向上の推進におきましては、新型コロナウイルスの影響で前期の技能検定を開催することができず、プラスチック射出成型一級・二級の技能士の新たな誕生はありませんでした。後期は新型コロナウイルスへの感染対策を講じた上で、射出成型三級とブロー成型一級・二級の検定を実施いたしましたので、三月には新たな技能士が誕生いたします。
 東日本プラスチック製品協同組合(嶋田理事長)におきましては、会員の皆様へ様々な物品斡旋事業を実施してまいりました。

 さて、上場企業の2020年度下期予想を巡り、製造業と非製造業で明暗が分かれています。製造業の純利益は前年同期比77%増と上期(54%減)から急回復し、米中の需要底入れで自動車や電機が上向くとのことです。一方、非製造業は交通やレジャーが苦戦し49%減と上期(28%減)から減益幅が拡大する一方、復調する外需の取り込みで差が出るが、新型コロナウイルスの感染次第で不透明感も残ります。
 お話が変わりますが「今こそ変革の好機」という題名で新聞に出ていました。新型コロナウイルスの国内感染状況はなお一進一退を繰り返し、半年を越えたウイルスとの戦いは先が見通せないままの状況が続いております。

 世界で100万人を超す命を奪った新型コロナウイルス。今も感染が続き、我々の生活や仕事は一変した。しかし見方を変えれば、テレワークや遠隔授業・遠隔診療など従来の社会の仕組みをデジタル技術で変える好機ともいえる。政府はデジタル変革を政策の最優先課題に掲げるが、コロナ禍を福に転じ「新常態」を築くことができるのか。
 「今後一千万人以上の人が亡くなる惨事があるとすれば、それは核兵器ではなく感染病だ」。マイクロソフトの創業者、ビルゲイツ氏がコロナ禍の到来を予見して話題になった。彼が言いたかったことは「繰り返しやってくる感染病に十分な備えをしているか」ということだ。
 人間は慣れることを忘れることができない動物だが、慣れてしまったところに大きな過ちが訪れる。

 今回のコロナ禍は、満員電車や深夜営業、大量のゴミなど、東京一極集中がもたらした日本様々な弊害を気づかせてくれた。テレワークで生まれた家族との時間や自然との触れ合いが、日本人が人間らしさを取り戻す貴重なきっかけとなった。
 一方、経済成長を促すためには、今までと同じやり方を続けていては生産性を維持できない。そこで注目されるのが人工知能(AI)や次世代通信規格「5G」などの最新デジタル技術だ。人間の労働力や機械の能力は急には高まらない。性能がエクスポネンシャル(指数関数的)に進化するIT(情報技術)ならば飛躍的な成長が期待できる。

 例えば、2時間の高精細画像を配信するのに20年前の3G技術では丸1日かかるが、5Gならわずか数秒ですむ。仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を5Gで使えば、仮想空間で相手と対話したり機械を操作したりすることも可能だ。と記者は結んでいます。
 私はこれを読んで対面販売・対面営業はなくなることはないと思いますが、営業がお客様の会社に訪問して商品説明をしたりすることは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を使い、対面営業は確実に少なくなっていくと思います。

 また、今後の商品開発にしてもコロナ禍で非接触・自動化がキーワードで考えていくことも大事だと思います。今年も新型コロナウイルスのワクチンができるまでを「今こそ変革の好機」と前向きな考えで、我々プラスチック業界も製造業の一員として、誇りをもって、みんなで力を合わせて頑張っていこうではありませんか。令和三年が我々業界にとりまして良い年になることを信じて事業経営に邁進していきたいと思います。これで新年の挨拶に代えさせていただきます。

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